NightMare
□失意〜佐伯編〜
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あの帰り……天地を集団レイプしたあの日の帰り。
自分の中の、倫理感の軸みたいなものが、ガラリと変わってしまった。
天地は、好きでもない複数の男共に犯されて、それでも気持ちよさそうな高い声をあげてよがっていて……
俺はあの時、心のどこかで裏切りを感じた。
俺の人魚は、ずっと俺の人魚だと信じていたアイツは、志波と出会って、志波と恋に落ちて、俺のことなんか気にも止めずに遠く離れていった。
それでも俺は、天地が幸せならそれでいいって、本気で思い始めてたんだ。
(なのに……)
あんな風に、別の男共に触れられて感じるなんて。
何でだよ。何なんだよ、それ。
そんなの完全に裏切りじゃないか。
俺の人魚は、そんな淫乱だったのかよ。
身勝手な思考だって自覚が、まるでなかったわけじゃない。
でも、もうそんなことはわからなくなっていた。
ただ“あの行為”は、クリスの言う通り、あくまで正当な仕返しに思えた。