すごいよ!勝己さん!!
□敗戦(後)
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はね学は、大東京高校に敗北した。
僕は試合を見ていたわけじゃないけど……
はね学が勝たなかったことくらい、応援団の援声でわかる。
どんなに全力で挑んだって、負けるときは負けるんだ。
だって……
力の差がありすぎる。
ブブブブブブ…
「ン!……やっ!ヤぁっ、ァン!…ァッ…」
何度目かわからない絶頂に、体が痙攣する。
「ィヤッ…!ゃ、ァン!!もっ、もうヤダっ……先輩っ…!先輩、助け…ッ…ぁ、ァンっ……」
志波先輩が出て行って五分も経たないうちに、無理やり入れられた玩具はブルブルと震えだした。
それがどのくらい前のことだったのか、僕にはもうわからない。
ちょうどあの頃始まった練習試合は、ずいぶん前に終わってしまったみたいだから……
あれから一時間以上経ってるってことかな。
試合終了後。
僕は応援部の仲間が助けにきてくれることを、わずかに期待したけど。
現実に僕を探しにくる者は、一人もいなかった。
惨めさに、頬を伝い顎を伝って涙がとめどなく流れた。
(志波先輩、早く迎えに来て……)
いくら泣いても先輩は来ない。
時折激しくなる玩具の振動だけが、志波先輩が僕を忘れたわけじゃないって教えてくれるけど。
でも今日会った志波先輩は、僕のことなんて全然見てくれてなかった。
事後。
必ずといっていいほど、僕の髪を優しい手つきで撫でていた志波先輩は、どこへ行ってしまったんだろう。