まずいよ!勝己さん!!
□珊瑚礁で(2)〜佐伯編〜
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志波に、強姦された日の夜。
俺は結局、その現実に耐えられなくなり、学校の勉強も珊瑚礁の仕事もすべて投げ出して……
逃げるように眠ってしまった。
だから、その夜じいさんが何をしていたのかなんてわからないけど……
じいさんは、俺が強姦されたのと同じその日の夜……
なぜか、腰を痛めた。
翌朝、顔を合わせたとき。
昨日まで何ともなかった腰をしきりに気にして、じいさんは痛い痛いとぼやいていて。
「年のクセに気ばっかり若いからだよ」
俺が何となしにそう言ってやると……
その俺の言葉に、じいさんはハッとして頬を赤らめたんだ。
「そ、そりゃ悪かったなっ…!」
「……?」
その反応を見たとき……
俺、本当は変だと思ったんだよ……
でもさ……
何でじいさんがそんな照れたような顔をしたのかなんてさ、分かるわけないだろ…?
じいさんがその夜、どうして腰を痛めたのかなんて……
俺、全く分かんなかったよ……
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