死帳
□泪と哀愁。
1ページ/1ページ
―――思い出せば、今も耳に残って消えない言葉。
『先に待っている。』
あなたはどれだけ先に行ったのですか?
私には、とても追い付けない。
手のひらには、あなたによく似た指人形。
憎たらしくって。
愛らしくって―――――
今でも、まだ生きているのではないか。
そんな淡い期待を抱いてます。
そんな私は馬鹿ですか?
あなたは私を笑いますか?
笑われても良い。
笑顔を見せてください。
私の名前を読んでください。
胸が不安で潰れそうです。
頬を暖かい温度を纏った雫がつたう。
『メロ………………』
白髪の少年は
手の中にある指人形をそっと握り締めた。
はじめて人の為に泣きました。
泪と哀愁。
(アナタがいれば、どれほど楽か……)