11/01の日記

23:05
球磨川成り主→MHA続き
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書いた時点から状況がかなり変わったので続き書いてみました。最初の方は前のネタのとこにあるのと同じ会話です。禊成り主ちゃんが勘違いをしてドヤ顔をした話とそのあと。


「『えー』『だから言ってるじゃん』『しえはっぽうさいだかはっさくだかそんなヤクザに監禁されてた哀れな一般市民だってばあ』」

「構成員にも、まして構成員の家族にも、キミのような年の女の子は報告されていないんだよ」

「『ワーオ』『お巡りさんともあろうものが』『そんな社会のゴミ屑の言葉を信用するのかい?』『いやあ現代日本も捨てたもんじゃないね!』『でも悲しいなあ』『そんなゴミ屑の話は信じるのに』『こんな幼気な私みたいな歳の女の子のことは信じてくれないなんて』」

「じゃあ監禁されてたって言うけど、君はどうやって出てきたんだい?君がつかまっていたという報告もされてないんだよ」

「『そりゃあ自分で出てきたに決まってるじゃないか!』『おまわりさんとヒーローのみなさんのおかげでヤクザの塒は一網打尽!』『キープアウトのテープの内側からは人っ子一人いなくなっちゃったんだからさ!』」

「いつでも出てこれたってことかい?じゃあやっぱり捕まってはないじゃないか」

「『ううーんおまわりさん100点満点!』『やっぱ頭いい人しかなれないんだね国家公務員!』」

「…」

「『でもさ』『よく考えてみてよお巡りさん』『わたしみたいなのがヤクザの家から出てきたところで』『お巡りさんは相手にしてくれた?』『ハイハイでなあなあに対応してヤクザのおうちに返さない?』『じゃあ出ていったって無駄じゃない?』『そう思ってこの前のガサ入れで』『ついででいいから保護してもらおうと思ってたんだけどさあ』」

「…」

「『――当てがはずれちゃったよ』『私のところにすらたどり着いてくれないなんてさ』『国家公務員て意外と無能ばっかでも成り立つもんなんだね!』」

「……」

「『そういえばエリちゃん元気?』『ずいぶん派手にやらかしてたみたいだけど』『ちゃんとその後普通に生活できてる?』『ぼくの今までの経験からするとさ』『ああいう暴走の仕方した後ってずーっと暴走したままみたいになるんだよねえ』『おっと』『当たりなのかな?』『うーんあの子のアレはそのままにしとくとやばいよねえ』『地球が原始時代に戻っちゃいそうだよねえ』」

「何が言いたいんだい?」

「『いや?』『別に?』『ただおまわりさんたちの苦労がしのばれるなあって話さ』」

「…一つ訂正しておこう」

「『?』」

「エリちゃんの暴走は収まっているよ」

「『……まじ?』」

こくりとうなずくお巡りさん。
ハイ!全然そんなことありませんでしたー!ドヤ顔でお巡りさんのこといじくりまわしちゃってNDK?NDK?
…いや、ぼく個性の仕様とか(そんなこと)知らなかったし!使いすぎるとオーバーヒートのごとくしばらく使えなくなるスキルなんて使い勝手が悪すぎるでしょ!個性ってMP消費激しくない?
スキルは基本的に体力なんか使わないから、個性に使用制限があるなんて思いもよらなかった。身体能力の一つであるということだろうか。
これはいよいよ、ぼくの異常性が浮き彫りになってしまうのだろうか。いや今の時点ですごい目で見られてるとかそういうのは言いっこなしだぜベイビー!

「『…まあ冗談は置いといて!』『実際一般家庭から攫われてたのはほんとだぜ』『しかも拷問まがいの実験をされてたからほぼ出ていけないような体調だったよ』『それこそあのエリちゃんみたいにさ!』『だからお礼参りついでに保護してもらおうと思ってさ』」

突っ伏していた顔をあげ、おまわりさんに状況説明(媚びを売る)。
本当の話だ。やっていたことは棚に上げるとして、ぼくのDNAの元となった男女はヤのつくご職業でもおまわりさんにご厄介になる怪しい仕事もしていなかった。
ただただ、ぼくに対する態度が自分の感覚に全力で従ったものだっただけだ。

「…名前は言えるかい?」

「『…あーっと』『痛いところを突くなあ』」

「言えないのかい。親の名前は?」

「『うーん』『的確な判断だあ』『たしかに親の情報とか調べちゃえば一番わかりやすいもんねえ』」

「…言えないのかい?」

「『うん』『結果だけ言えばそうだね』『だってぼく名前ないし』『親の名前も知らないし』」

訝しむように寄せられた眉が、さらに寄せられる。
構成員の家族にぼくが居ない以上、外から攫われてきた子供というセンは生きていたんだろう。だがそこに畳みかけるぼくの生い立ち!この法治国家で!まさかの無戸籍!個性とかそんなのもよくは知らないが、とりあえずスキルとはまた別のものでほぼすべての人間が保有しているということくらいは知っている。それが個人や家庭識別に使われていることも。
だがしかし、ぼくは戸籍すらない状態だ。個性なんて登録されているはずもないし、こんなレア能力が親と同じなんてこともまあないだろう。だってレア能力だから攫われたんだし。いやしかしぼくの能力なんてだれが知ったのかな?

「戸籍もない、ということかい」

「『たぶんね』『ぼくの親…親?』『はさ』『ぼくなんていらなかったんだって』『いると不都合だから』『なかったことにした』『ヒュウ!』『合理的だね!』」

「罷り通らないことだ」

「『ところがどっこい』『罷り通ったんだよ』『個性はよく知らないけど隠蔽には便利なものだったらしくてね』『少し前までは普通に生きてたよ』『生活してたとは言えないけど』」

「……」

「『拷問実験が多かったけど』『やくざにいたときのほうが人間らしい暮らしができたよ』『ご飯もくれたし』」

そこまで言うとお巡りさんは頭を抱えてしまった。
大丈夫?元気出して!




「『そんなわけで今日から生きていくためのお勉強させてもらいます』『球磨川禊で〜す』『よろしく哀愁!』」

いえーいピースピース。
目の前に座るのはぼくがこの前病室に押し掛けたおにい…おじ…?…おにいさん!
それとリーゼントみたいな髪の毛のお兄さんにもしゃもしゃ髪のお兄さん。褐色肌のお姉さんにちょっと肌がぞわぞわしちゃう顔をした…人?多分人。
あと離れたところに無精ひげにバサバサ髪の小汚いおじさんと、ガリガリの不健康そうなひょろながの人。
刑事さん(この前お巡りさんじゃないと念を押されてしまった。こだわりがあるらしい)は死んだ魚のような目でぼくの状況説明とこれからのことを説明する。
よくはわからないが、ぼくの説明をしたところぜひ保護をしたいと申し出たそうだ。物好きか?
ぼくに対し若干不愉快そうな後ろの人たちとは対照的に、顔は蒼いながらも必死にぼくを歓迎しようとしているお兄さんたち。
なんでもこの前の大嘘憑きに恩義を感じているらしい。正直受け入れようとしてくれるのはとてもうれしい。ぼく、優しい人、だ〜いすき!
あ、名前は新しく戸籍を作ってくれることになったのでぼくが自分で決めた。今は女なのだが、どうにも一回前の意識が消えないのでその名前を使うことにした。二回前の名前がうろ覚えだったというのもある。

「私はナイトアイ。こちらの女性がバブルガール、男性はセンチピーダーだ」

眼鏡をキラっと光らせるナイトアイが男女の紹介をする。かっこいい名前だ…ヒーロー名?
他は名乗りもしないし、紹介もない。おそらく一応いるだけで、ぼくの今後の居場所には関係ないのだろう。







(なお本当に関係ないかはわからない模様)

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