シリーズもの

□強気なあの子とバトル、その2
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はいはい、死亡フラグビンビンなナナコさんですよ!
引き続きあユキちゃんとのバトル!前回がどうだったかっていうのは下を参照!


〜前回のあらすじ〜
ついに台風少女おユキちゃんとのバトル勃発!
交代なしの勝ち抜き戦と言う鬼畜設定をあっさりと口にするおユキちゃんに戦慄するナナコ。
なんとかアッシュが最初の相手を倒したのはいいけど、次の相手ってあの時に見たウィンディなんじゃないの〜!?
エアームドのアッシュとは相性最悪!どうするナナコ!?


「……はい!痛い!」

「何言ってるの?」

変換があまりにもないからって無茶するもんでもないですね!
痛い!
おユキちゃんからの白い目も痛い!

「いや、ちょっと独り言をね……」

心の声が漏れだしたっていうかね。

「ふうん……? まあいいわ。そろそろ次の試合に移りましょうか?」

「お願いしまーす……」

おユキちゃんがボールを大きくさせて目の前に掲げる。
遠くなので中がだれなのかはわからない。

「ロッソ!シアンの仇をとるのよ!」

ボールから光とともに現れたのは、雄々しく咆哮する獅子……もとい、ウィンディ。
……あっちゃー……。

「うわあ……うわあ……」

ちくしょうかっこいい……。
どうせしんそく覚えてるとか、かみなりのキバ使えるとか、そういう感じなんだろう?
どうせ最強なんだろう……?

「はじめ!」

「あやしいかぜ!」

「!」

先手必勝!…と言うわけはないけれど、とりあえず開幕ダウン、なんてことは避けたいのでこんらんにさせてみる。
これも結局運なんだけどね……。

「く……にほんばれよ!」

万が一にも自分がダメージを受けるとまずいと思ったのか、おユキちゃんが支持を出したのは補助技。
でもにほんばれはほのお技を強力にする技。
これでまともに攻撃されるとちょっとまずいな。
いくらアッシュが頑丈だと言ってもそこははがねタイプ、一発ダウンが現実味を帯びてきてしまう。

「こうそくいどう!」

「今のうちに逃げる準備かしら?結構せこいのね!」

「ダメージくらいたくないからって補助技使ってる人に言われたくはないかなー?」

ウィンディのこんらんがいつまで続くかわからない以上、ここら辺で攻撃に転じておかなければ。

「エアスラッシュ!」

「よけて!!」

ウィンディはおユキちゃんの指示通り避けようとするも、まだこんらんしているのか、逆にエアスラッシュに突っ込んで行ってしまった。
それでもあまりダメージはないみたいだ。うわあ、なにこの無理ゲー。

「……一か八か……っ! かえんほうしゃ!!」

「アッシュ逃げて超逃げてぇ!!」

おユキちゃんが賭けに出たとたんに正気に戻ったのか、ウィンディはアッシュに狙いを定めて炎を放った。
私にとってはバチですねわかります!!

「アッシュ!!」

「かみなりのキバ!!」

「エアームド、戦闘不能!ウィンディの勝ち!!」

直撃は避けたものの、右翼の先に炎がかすってアッシュはバランスを崩してしまった。
少し高度が下がった程度だったが、おユキちゃんはそこを逃さずに畳み掛けてきたのだ。
……その結果がこれだよ……。

「お疲れ、ありがとうアッシュ……」

くったりとしたアッシュにボールの中に戻ってもらい、元の場所へ戻る。
次はミモザ……か。
相性は普通、ただし相手の頑丈さは並みじゃない。
……そもそも、体格差が半端じゃないんだよなあ。
四足だって言ったって、1.5メートルの差は大きいと思う。
子供一人分ですよ奥さん。

「つったって、ミモザもやる気満々だもんね……」

兄貴の仇は俺がとりやす!!と言わんばかりのわかりやすい気合いの入りようだ。
頬の電気袋からやる気と言う名の電気がバチバチいっている。
これで出さないっていうのは、トレーナーのやることじゃないだろう。
糸目のあんちゃんにお前人間じゃねぇ!!と言われてしまう。

「行くよ!ミモザ!!」

ミモザは最初っから臨戦体制だ。
毛が逆立ってる……お前、それ猫の威嚇行為じゃねえの?あれ、ネズミだよね。

「はじめ!!」

「かげぶんしん!」

「………」

まずは時間稼ぎ。
ワンターンキルなんて嫌だ。あれ、なんかデジャヴ。

「にほんばれよ」

「あまごい!」

さっきと同じにはいかせたくない。
あまごいはほのお対でんきにはうってつけだ。
炎は弱まるし、でんき技は当たりやすくなる。

「……、かぎわける!」

「でんじは!」

「! ロッソ!」

かげぶんしんの効果はなくなってしまったが、これでウィンディの動きは鈍る。
しんそくだとかが来ない限り、こちらが先制できることになる。
……あれ?これってもしかしてフラグ?

「しんそく!!」

「っ、あなをほる!!」

とか言ってる間に本当にしんそくが来てしまった。
ギリギリ……本当にギリギリ、間一髪よけられた。

「くっ……まひしたのが響いたわね……」

「あっぶなーい……」

ミモザのもぐった穴を見つめながら、ウィンディは微動だにしない。
……嫌な予感がビンビンするぞう。
しかし動かないとなればこれは好機。
動かなければ動かないほど、ウィンディの発するほのおタイプ特有の熱気が地面に伝わり、ミモザはウィンディの位置を特定しやすくなる。

「……ミモザ!!」

おユキちゃんが、ミモザがどこから出てくるのかときょろきょろしている隙に、ミモザが地面から飛び出す。
やはり微動だにしなかったウィンディの腹……つまり、もろに急所にミモザの頭が激突する。
素早くミモザがこちら側に戻ってくるが、ウィンディは動かなかった。
さすがにぶつかった瞬間は苦しそうに顔をゆがめたものの、そのあとは涼しい顔を保ったままだ。
……ミモザなんて屁でもないってか?

「余裕ぶちかましてくれちゃってさあ……すっげえそういうの崩したくなるよねぇ……」

まあつまり、なんていうか、ここまで馬鹿にされて黙っているほど温厚でもないわけで。
いらっとくるのは、仕方ないよね?

「ミモザ!スピードスター!!」

「ロッソ!」

「アイアンテール!」

「っ!」

「かみなりパンチ!」

「……っかえんほう」

「ボルテッカー!!」

「……、…!」

ウィンディがまひしていて動きが鈍いのをいいことに、やりたい放題。
それでも、やっと体力半分削れるか削れないかってとこかな……。
そろそろあまごいの効果も切れてしまう頃だろう。
最後に一発、いきますか。

「かみなり!!」

「っ、ロッソ!!」

命中率は100%。
落雷警報、発令中です!

「ねむる、よ!」

「!」

まずい……体力の回復を図られた!
ミモザは一回も攻撃を食らっていないとはいえ、ボルテッカーのダメージを受けてしまっている。
ただでさえ速攻型で防御がもろいのに、長期戦に持ち込まれたらたまったものではない。
それに相手はウィンディ。
体格差や攻撃力の高さも含め、一発で瀕死になってしまう可能性は大いにある。

「もう一度あまごい!」

「ねごとよ、ロッソ!」






……結論から言えば、私は負けた。
ねごとの効果は、覚えている技の中から一つ、ランダムで技が出ること。
まさか、まさかあんなところでしんそくが出てくるとは思わなかった。
完全に言い訳だし負け惜しみだろうけど、言わせてほしい。
仮にも主人公の負け方がこんなあっさりでいいの!?

……悔しいからバトル後の健闘をたたえ合うシーンはカット!異論は認めない!!





(2011/12/31)

2011年のうちに書き上げられてよかった……。
ミモザ、奮闘するの巻ですね!(キリッ
アッシュは強いんです。ただ、圧倒的なタイプ相性という壁はそれ以上に高かったということですね。

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