捧げ物
□お化けなんてっ!
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「はぁ、お化け屋敷ですか?、と」
「そうだ。なんでも新羅と関わりの深い会社が設立した遊園地だそうだ」
「それで人員不足を俺達に?」
「そういう事だ…」
他のタークスより遅く出勤して来たレノにツォンから言い渡された任務。
それは、新羅と親密な会社が造った遊園地の一日お手伝い。と言うタークスの任務としてはありえない内容だった。
「で?俺だけですか、と」
「いや…私も行く事になってる。それにルードも先に行かせてある」
心底嫌そうに溜め息を長々と吐き出す。
「あとは暁だ」
バンッ―――
勢いよく開けられた本部の扉。そこに目を向ければ、肩で息をしながら暁が立っていた。
「す、すいま、せん…ねぼ、寝坊し、しましたぁ…」
「暁か、調度いい。今から三人で任務だ」
「は、はひ…」
ゼェゼェと荒い呼吸を繰り返す暁にレノは、大丈夫か?と声をかけながら水を渡し、背中を摩ってやる。
「あ、ありが…とう…」
水を受け取るとそれを一気に飲み干す。
「で、任務って?」
「え゛?ι」
「ん?」
レノは迷う。
今回の任務内容『お化け屋敷のお化け役』そんな事愛しい暁に言えようものか!?答えは否!!
なにせ暁はお化けの類が大の苦手ときている。例え正体が人間のお化け屋敷でも、だ。
「新羅と親密な関係にある会社が設立した遊園地がある。そこのお化け屋敷の助っ人だ」
「!?」
「…………」
ツォンによって明かされた任務内容に暁の顔色が悪くなる。
「大丈夫だぞ、と。俺がいるだろ?、と」
「そ、そうなのか…?」
「あぁ」
「そっか…」
多少不安と恐怖はあるものの、レノと一緒なら…と渋々承諾し三人で任地である遊園地へと向かった。
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