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御礼文
ミルアドです。
雪だるまを作ろう
天候が比較的穏やかなジャズィーラは季節が真冬でも、さほど寒さを感じる事はない。
でも、今年の冬はどうやら生易しいものではないらしい。
毎日の冷え込みが激しくて、この島に長年住んでいるインジールさんでさえ、こんなに寒い冬は久しぶりだと言っていた。
アルドやリーハに至っては、こんなに寒い冬は初めてだと寒さに震えながら、不安がっていた。
世界を旅していた僕としては、この寒さが普通だ。
そんなある日、この島一番の事件が起きた。
「ミ、ミルサートッ!」
「…こんな朝早くからどうしたの」
「外が、外が真っ白なんだ!」
「真っ白?…あぁ、雪が降ったんだね。道理で寒い訳だよ」
「雪?」
「まさか、知らないの?」
「知らない」
世間知らずだとは思っていたけれど、まさか雪も知らないなんて…。
「いいかい?雪って言うのは…」
僕の知る限りの雪についてをアルドに教える。
果たしてアルドに理解出来たかどうかは謎だけど…。
「冬は雪で遊んだりもするんだよ」
「雪で遊ぶ!」
どうやらこの言葉はアルドの好奇心を刺激するのに十分な威力を持っていたらしい。
目をキラキラと輝かせて、どんな遊びをするのだと迫ってくる。
「雪を丸めて投げ合う、雪合戦とか…雪を転がして雪だるまを作ったりとか…」
「雪だるま…」
どうしてそんな名前が付けられたのかまでは知らないけど…。
「ね、ミルサート一緒に雪だるま作ろうよ!僕はどんなのか知らないし、教えてほしいな」
「いいけど、ちゃんと厚着してからね」
アルドの普段の格好で外に出られたら風邪をひいてしまうからね。
「うわ〜っ!スゴーイ!!」
「アルド、あんまり走り回ると転ぶよ」
「大丈夫大丈夫!」
初めての雪で興奮するのはわかるけど興奮し過ぎで熱を出されたら大変だ。
「ミルサート、どうやればいいの?」
「こうして雪を丸めて、転がして大きくしていくんだ」
僕が簡単な手本を見せると、要領を得たのか、すぐにアルドは真似をして雪玉を作り始めた。
それを僕のと重ねれば完成だ。
「雪だるまか…」
「簡単な、だけどね」
「僕、もう一つ作るよ!今度はミルサートを作る」
そう言うと、せっせと奇麗な雪を集めてあっと言う間に僕そっくりな雪だるまを作りあげた。
簡単な作り方しか教えていないのに、アルドは手先が起用なんだな。
「…クシュン!」
「ほら、風邪ひくよ?」
「大丈夫だって」
「何を根拠に…。手だってこんなに冷たいじゃないか」
「うわ〜ミルサートの手、暖か〜い」
「キミの手が冷た過ぎるの!」
雪をずっと触っていたから、赤く腫れてるじゃないか…。
「部屋に戻るよ」
「わかったよ…」
全く、人の気も知らないで…。
僕はキミが風邪ひいて辛い思いするのなんか見たくないんだ。
FIN