月と地球の約束
□I won't say I'm in love ―好きだなんて…―
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君が告白された時、僕にどうすればいいか聞いてきて。
冷静でいられなくなった。胸がまた痛くなった。
ちゃんとした答えを返せなくて、君は頬を膨らませた。
ごめんね…―。
君は全く悪くないのに。
考えても見れば、僕の知ってる君はほんのわずかで、その人は君が学校でどんなことを考え、話しているのか知っているのかもしれない。
―いやだっ!―
そう思うのは、理不尽なことだよね…。
僕のことをなに一つ教えていないんだから…。
僕はきっと君のことが好きなんだ。
いつもその笑顔で癒してくれる君が大好きなんだ。
でも、告げてはいけない。
だって君が僕を「友達」と思っているから。
優しい君のこと、そんなこと言ってしまえば、素直に受け入れてくれるに決まっている。
しかし、それと引き換えにあの温かい時間が壊れてしまう気がする。
だから決して言ってはいけない。
あぁ、まだ夕暮れ時。
君と逢える時間までまだまだだ…。
君と僕だけの時間、僕はこれだけで幸せ。
だから……
誰にも邪魔はさせない。
<<終>>
→後書き