刹那の夢幻
□六花の舞
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はらり、はらり、はらり
舞う雪華がすべての世界を白に変えていく。
その一つがあれが手に…
逃げるように瞬く間に消え去ってしまう。
゙あまりにも儚い"
そう、この小さな舞人達も明日になれば溶けてなくなってしまうのだ。
そんな儚きもの達に、りんが見惚れているのも危うく感じる。
『君ぞ六花の如き……。』
貴方と雪を見るのもこれで何度目になるのかな?
何も言わずにただただ雪が降るのを二人で見ているだけだけど、あたしにとっては幸せなの…。
貴方の逞しい腕に包まれながら雪に見惚れていたら、貴方はそっと自分の真っ白な毛皮を私の体に添えてくれる…。
「ふふっ…。」
思わず微笑んでしまう。
犬夜叉様達は冷たいって言うけどね、本当はこんなに優しい人なんだよ。
それを知っているのは自分だけだと自惚れてみる…。
幸せすぎると辛いことをついつい考えてしまうって、世の中では言われているけれど、これがそうなのかな…?
゙後何回こうやって二人で雪が見られるんだろう…゙
六花の舞う夜の静寂に、二人が自ら同じことを思う。
→あとがき