月と地球の約束
□I won't say I'm in love ―好きだなんて…―
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「好きだ」なんて言えないんだ…。
I won't say I'm in love ―好きだなんて…―
最初は光り輝く美しい夢の持ち主なら誰でもよかったんだ。
もしネヘレニアに囚われていた時に見た夢の光が君のものでなかったら…―
そうなったら、僕は君じゃない誰かに「力を貸して」と言いながら近づいていったのだろうか。
あぁ、そんなこと考えるだに切ない。
出会ってまだ間もない頃、レムレスに君の夢の中に入りこまれて、自由を奪われそうになった時のこと。
もしあの時、君が僕を信じてくれなかったらどうなっただろう?
何者なのかも分からない僕を信じてくれなんて方がおかしいから―。
いや、多分君のことだ。
きっと信じてくれる。
こんな僕に「友達になりたい」なんて言ってくれた君だから。
それから君と秘密のお喋りをするようになって、
色々なことが分かったよ。
跳び箱が苦手なこととか、ちょっと食いしんぼさんなこととか、とても純粋なところとかね…
くるくると表情の変わる君を眺めていると、こっちまで楽しくなって。
君が「お婿さん来てくれるかな?」って無邪気に尋ねてきた時、なんだか胸が痛くなったよ。
その人はきっと幸せなんだろうな...
君をすぐ近くで、誰よりもそばで見ていられるんだからさ。
チクッ
また痛い..