キリリクss
□Open the door…
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整わない呼吸の中、成瀬は「ごめん、俺…一人だけ……」と、申し訳なさそうに話した。
イカせたのは日織なのだけれど、こんな風にしょぼくれた成瀬もまた可愛いと日織は一人、満足げに笑っていた。
「もし本当に一人だけ先にイったの悪いと思ってるなら、俺に何かお返ししてくれません?」
「お返し?」
「成瀬さんがこの身体でしてくれる事なら何でも良いんですが…」
そう良いながらまだ濡れていない日織の手が成瀬の頬に触れる。
フェイスラインに沿って指を這わせ、唇で止まる。
薄い唇を指でなぞると僅かに開かれる。
その隙間に指を少しだけ入れると、戸惑いを見せながらも成瀬の舌が触れてきた。
「お上手ですよ」
絡みつきそうなほどねっとりとした声音で囁くと、成瀬はコクリと頷いて熱心に舌を絡め始めた。
舌先で指の先端をちろちろと舐め、口全体で指を根元まで咥えて頭を上下に揺らす。
日織の指を何に見立てているのかは言わずもがな。
成瀬が夢中にしゃぶり始めると、有無を言わさず指を引き抜いた。
「あ…」
名残惜しそうに日織の見つめる成瀬に、日織はここぞとばかりに耳打ちする。
「今度は本物でお願いします…」
成瀬は言われた言葉の意味を理解するまでに数秒を要したが、気付いた途端、顔を朱に染め上げた。
そんな初心な反応に日織は目を細めると「冗談です。本気にしないで下さい」と告げてやる。
けれども成瀬はむぅ…と悩む表情を作って10秒にも満たない僅かな時間だけ考え込むと、意を決した様子でしゃがみ込んだ。
「成瀬さん?」
日織が動揺を隠せずにいると、成瀬は「俺だって気持ちよくさせたいんだからな…」と、どこか拗ねた口調でたどたどしく日織の着物の前を開く。
日織自身も既に結構な硬さと高さを持っており、それが外気に晒された途端、ぞくりとしたものが背中を這い上がった。
「無理しないで下さいよ?」
そう遠慮がちながらも期待の籠もった声で語りかければ、成瀬は首を縦に振ってそっと手を伸ばした。
「…っ!」
人に敏感な所に触れられ、思わず日織が息を呑む。
小さく跳ねた腰に成瀬はビクリとしたが、日織の吐息が甘いのを確認するとそっと両手で包み込んだ。
人の体温を感じて日織は息を乱す。
少しの触れ合いも敏感に反応する日織に気を良くして、成瀬は手の動きを試行錯誤する。
先端から滲む体液を両手の平に馴染ませると、茎を上下に動かす。
また時には根元から袋部分にかけても、優しく揉み解すように弄る。
「なる、せ…んっ、…ぁ、成瀬さん…」
切なそうに自分を呼ぶ日織が成瀬の興奮を呼び起こし、もっと気持ちよくさせたいという欲求が芽生える。
「日織…」
呼ばれて視線を落とせば、成瀬が熱い視線を返してくる。
何かを言いたそうにもごもごさせる口を見て、日織は成瀬の考えを読み取る。
「歯、立てないで下さいね…」
そう言うと、成瀬は顔を俯かせてしまった。
そんな成瀬の仕草に、もしかして自分の我侭な願望がそう思わせただけかと、反省したところで成瀬が再度日織の名前を呼ぶ。
「俺、初めてで…下手だけど、頑張るから……」
消え入りそうな声でそう言うと、成瀬は目を閉じて日織のモノに口付けた。
ちゅっちゅっと冷たい感覚がしたかと思えば、次には熱い吐息が吹きかかり、最後には滑りに覆われた。
いきなり全部をふくむ事は出来ず、先端部分だけが口に収められた。
入れきれない茎半分と根元は成瀬の手が包み込んで、口と合わせて上下に擦り上げられた。
「んっ…く、…はぁ…気持ち、イイ…ですよ?」
口の中で限界まで膨張するそれに成瀬は苦しくなりつつも、成瀬は精一杯の奉仕を続ける。
感じている日織の声が成瀬の鼓膜を刺激して、成瀬自身もやんわりと頭をもたげ始めた。
そんな時、足音がして二人はハッとした。