雨の名月(分岐ss置き場)
□分岐2(暗石編)
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ガラッと風呂場の引き戸が空いた。
そこに立っていたのは暗石だった。
細腰に白いタオルを巻き、風呂場にも関わらず、煙草。
場所が場所だけに、裸当然の姿。
口元に当てた手がやけに淫猥に見えた。
「誰か居るとは思ってたが…坊主だったか」
「あ、あの…」
「ま、野郎同士だ。気にする必要はあるめぇ」
「……はぁ…」
どうリアクションして良いのか分からず、曖昧に頷くしかできなかった。
「ん?何か問題でも??」
「い、いえ…そ、そんな…」
(まさか後で日織と椿くんが来るなんて言えない…でも、どうしよう…)
「お邪魔なら、すぐに上がるから心配すんな」
「そ、そんな!邪魔だなんて…」
「……」
「ぅ…」
(なんでだろう、気まずい…)