季節小説(ss)

□中秋の名月
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「坊主、今度の週末暇か?」





久しぶりに掛かってきた暗石さんの電話はそんな言葉から始まった。







聞けば、何でも暗石さんのお友達が俳優を引退して山奥で旅館を継いだらしい。




今回の事件で世話になった礼だ、と僕たち全員を招待してくれた。

他の皆もスケジュールの調整が間に合ったらしい。





あの夏事件以来、皆に揃って会うのは本当に久しぶりで。


僕はカバンに荷物を詰めながらにこにこと待ちきれない気持ちになった。




…みんなに会ったら何を話そう。



…元気でしてるかな。





そんな思いが次から次へと湧いて出て、前日はなかなか寝付けなかった。




 
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