季節小説(ss)

□それぞれの聖夜(日×和編)
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「さむ…。息が白いや…」





マフラーをきつく巻き直して、手に息を吹きかける。


華やかな彩りと、お馴染みのメロディで飾られた街は妙に浮き足立っている。

道行く人もいつもより、急いで家路に着いているように見えた。



和はそんな人々を眺めながら商店街を抜ける。





「もうすぐ…クリスマスかぁ」





ふと、和の脳裏に日織がよぎった。

自分が出来ることなんて限られている。
それでも、何とか日織を喜ばせたい。

…できれば、内緒で。



そんな想いを胸に溜め息を吐いた時、ふと商店街の店先で足を止めた。





「あ、これって…」





そして、日織を思い浮かべる。





「いいな…。う…、でもちょっと無理か…。う〜ん…、あ!」





日にちと、通帳の残高と様々な計算をしては百面相を繰り広げる。

そして和はポケットから携帯を取り出した。





「…もしもし?僕だけど…あの、昼間言ってた話まだ間に合うかな…?」




…そして、電話を畳んで再度ポケットへ入れると意を決して店の奥へ声を掛けた。





「すいません!あの…コレ取り置きお願いします!」





 
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