雨の白玉(短編小説置き場)

□終(つい)に向かう二人(Rー18)
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「日織…ひ、おり…」


自分の口からこんな声が出るなんて…。

いつもの自分の声とは、あまりにかけ離れていて現実感がなかった。

初めて、好きだと自信を持って言える人に出会えた。

相手は5歳も年上で
しかも男の人で
芸能界のお仕事をしていて
普通なら絶対に出会わなかった…

出会えたのは本当に偶然で

止まない雨に隔離されて

土砂で道も塞がれて

殺人事件が起きる館だけど…





僕は今、涙が出るほど幸せだ。

こうして日織と抱き合える。




僕の気持ちを伝えることが出来て
日織も、こんな僕を好きだと言ってくれた。

それだけで不思議と怖くなくなる。






なんて…幸せなんだろう。





「……和さん?」


涙ぐむ気配を察したのか日織が僕の顔を覗き込む。


「ちがうんだ…。ただ、…嬉しくて。」


どう伝えていいのかわからなくて
日織の頬を包み込む。

そのまま、そっと唇を重ねてみた。


気持ちが伝わるように…。




初めてだし、ちょっとぎこちなかったけれど

日織は優しくキスを返してくれた。




あ……日織の匂いだ…




すごく落ち着くのに胸の中が苦しくて

下半身にじんわりと熱が集まるのを感じた。


「和さん…、いつまでも中途半端じゃ辛いでしょう…」


そっと日織が包み込む。

自分でも恥ずかしいぐらいに先端から蜜が溢れていた。


「んっ……」


「もう、こんなになっちまってんですね…
可愛いなぁ……和さんは。」


「やっ…!」


急に恥ずかしくなる。

日織の手は今までしていた自分の手とは全然違っていてちょっと触られただけなのに過敏に反応してしまう。



「嫌…ですかい?」



そんな事を聞いてくる日織は意地悪だ。

だって、目が笑ってる。


「ちが……。
嫌なんじゃなくて…気持ち、いいから…」


「じゃ、問題ねぇですね。」


やっとの思いで絞り出した言葉をあっさりと返される。


「あっ、そんな…急に…したら…!」


日織は先端から溢れる蜜を絡めながら
強弱をつけて動き出す。
自分の下半身から聞こえる淫猥な水音に煽られていく。

何か…日織、妙に手慣れてる…?

いろいろ気になったけど
聞く間もない程、日織の手に翻弄されていく。


「やっあっ、だ…だめ、ひお、り…」


日織が触れたところが熱を持っていく。
自分でするよりずっとずっと、気持ちいい。


「やっ…も、もう…」


自分の呼吸が上がっていくのがわかる。
日織もそれに合わせて動きを早めていく。


「和さん…。愛してます。」


耳元で囁かれて熱っぽい吐息をかけられる。

ああ…。日織も感じてくれているんだ…。

そう感じた瞬間、熱が爆ぜた。


「ああぁっ!!ひおりぃ!出る!出ちゃう!!」


今まで感じたこともない程の快感が身体を駆け抜ける。
同時にお腹の上に熱い飛沫を感じる。


「あっあっあっまだ、出るぅっ!」


あまりに強い快感に、一瞬身体の全ての感覚が真っ白になった。
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