雨の白玉(短編小説置き場)
□小休止
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にっこりと笑うと有無を言わせる前に、舌で背中の窪みをなぞったまま顔を下ろしていく。
「あっ……!コラっ…、ん……」
力の入らない身体を震わせて彼は身悶えている。
引き締まった腰や、ややくびれたウエストを大きな手で撫で包みながら舌は尾てい骨をなぞる。
「や、やめっ…!ん、んんっ……!」
自分の制御を離れた快感に身を侵されながら、それでも必死にその波を堪える姿がたまらなくいじらしい。
…少し、意地悪をしてしまいたくなる。
「…見えないところなら、いいんだよね?」
柔らかな双丘の肉を揉みしだき、不意打ちで歯を立ててかぶりつく。
「ひっ…!?ああっ……!」
若い桃のような、硬く締まった肉が目の前で跳ねた。
赤く跡がついている。
「痛かった?……ごめんね」
今度は、その少し赤くなった歯形の部分を動物のように舌先でちろちろと舐める。
肌全体が粟立つのが見え、うっすらと汗が浮かんでいた。
「ち…ちが…、あうっ…!」
目尻に涙を浮かべた恋人は、枕を噛み声を漏らすまいと耐えていた。
「今度は、こっち………」
強引に脚を掴むと、仰向けにひっくり返しながら高く掲げる。
横向きで大きく脚を広げる形になり、彼は不安定な上半身を枕で支えて不安げに僕を見ている。
にこりと微笑むと、普段陽に晒されない真っ白な脚の付け根に吸い付いた。
「あっ…、あ……ああ…!」
吸っては舐め、徐々に股関節に沿って前へ移っていくと、次第にガクガクと腰が揺れ、艶っぽい声が頭上から漏れた。