歌詞2

□ユーフォリア
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幸福とは何だろうか
あるものは富と答え
あるものは快楽と答え
あるものはビールと答えた
私は何を幸福と呼べるだろう
朝日を見て
光を感じ
鳥の詩を聞き
川のせせらぎに手を入れ冷たさを感じ
一切れのパンを口に入れる
私はこれ以上の幸福を求めてしまっているのだろうか
人間の欲が幸福を殺してしまった
人間の欲が幸福を葬った
愛する父よ
愛する母よ
私の罪は赦されるだろうか
ここを天国と呼ぶ者がいる
ここを吐溜と呼ぶものが居る
どこかで人が殺されている
浮浪者が一人で死んでいる
私はただ生きている
何故子供は殺されるのだろう
何故憎しみあうのだろう
何故分かち合えないのだろう
この世界は
今日もまた列が出来る
何ももらえないの列ができる
何処へもいけないのに列ができる
割り込みをしようとするものが現れる
あるものはそのものを列に入れ
あるものは列から追い出し袋叩きにした
自分も列から追い出されるというのに
幸福とは何だろうか
あるものは家族と答え
あるものは他人の不幸と答え
あるものはタバコと答えた
世界にはどれほどの幸福があるのだろう
すべての幸福を手にすることは
すべての不幸を手に入れることだ
笑うこともあるだろう
泣くこともあるだろう
憎むこともあるだろう
何も感じないこともあるだろう
人間の欲が幸福を殺してしまった
人間の欲が幸福を葬った
幸福を金で売るものが居る
幸福を金で買うものが居る
何も埋まりはしないだろう
幸福など無いのだから
本当は無いのだから
病の中チェスを指す二人
片方は死ぬまでチェスを指せるが
片方は相手が旅立ったら一人きり
チェスを差す相手がいなくなる不幸
二人同時に死ねる日
それこそが幸福なのか
幸福とは何だろう
死にたくない奴が居る
死にたいのに死なない奴が居る
死んでほしいのに生きてる奴が居る
死んで欲しくないのに死ぬ奴が居る
鎖につながれた奴隷
鎖のない奴隷
幸せなのはどちらだろう
愛するものを失う悲しみ
愛するものが見つからない悲しみ
悲しいのはどちらだろう
また明日も私は幸福について考えるのだろう
私には幸福などやって来ないのに
いや、幸福について考えることが出来る時点で私は幸せに違いない
しかしこんなものを幸福と呼んでいいのだろうか
幸福についてなど考えなくても世界はこんなにも美しいというのに
私のようなものが世界を汚しているのだろう
私のようなものが人間に知恵などつけさせてしまったのだ
私の人生など本にも残らない
墓もたてられない
虫けらにも等しい人生だろう
しかし土に還ることが出来ることは幸せなのかも知れない
終りの無い始まりを考えるようで
私はまた瞼が重くなるのを感じた
遠くで銃声が聞こえる
また、明日
私は考えるのだ
溶けだしたチョコレートのように
冬の風に凍る池のように
誰の目にも映らないノミのように
色褪せた映画のポスターのように
声の枯れたシンガーのように
生まれたての子馬のように
フィルムの無いカメラのように
私はただ考えるだろう
この世界の幸福について
書き替えられた問題集を解くように
私は考えるのだ

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