OTHER

□はじまり
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「こんな所で、いい身分だな」

「ベリル?」

「今は全生徒は演説会のはずだが」

「…知ってるよ」

オレはベリルの金髪から目をそらし、白い雲が流れる空を見上げた。

ベリルもため息をついて、オレの隣に座る。

「そっちこそ、生徒会長様がこんな所にいていいのかよ」

「相変わらず、口が減らないな」

そう、ベリルはここ一週間学園代表会議とかいうもののために欠席していた。

久しぶりに会って話すことがこれかよ。

「ちゃんとおとなしくしてたか?」

「なんでお前にそんなこと」

ああ、ムカつく。

ベリルに背を向けて寝ころがる。

「さっきエマ先生に、お前の元気がないと聞いたからな」

そんなの分かれよ、バカっ!
って言ってやりたかったけど、また鼻で笑われるのがオチだ。

「何もないのなら戻るべきだろう。オレがいないからと言って一週間こんな調子だったんじゃないだろうな」

そんなわけない。

約束通りちゃんと授業にも出たし
(今はサボってるけど)
人造兵の力だって使っていない。

そんなの普通のことだと言われたらそれまでだけど、お前がいない時にまで迷惑かけるのはイヤだったから。

って、別にいつもかけてるわけじゃないけどっ!

「寂しかったなら、素直に言えばいいものを」

「はあっ!?い、意味わかんねぇし!」

「仕方ないな、寮に戻るか」

「…おぅ」

別に帰っても楽しいことがあるわけじゃないし、退屈な演説会よりはましだからってだけだ。

それだけだ。








「…おかえり」
「だだいま」




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