NARUTO 短編

□blind
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「サスケ」

「…」

「…サスケ」

「…ん」

「もう、いいだろ。帰ってきてくれるんだよな」

無言の返事は彼なりの肯定。

優しく抱きしめると、サスケもオレの胸に顔を埋めた。





「サスケ、オレだってばよ」

「ナルト…」

「ご飯置いとくってばよ」

「…ナルト、こっちこい」
オレは冷たい鉄格子にそっと近づいた。

「ナルト…」

低く響くサスケの声や

「手、出して」

鉄格子と同じくらい冷たい手が

オレの目頭を熱くする。

「お前、もうここには来るな」

「サスケ?」

「五代目も上層部も、お前がここに来ることをよく思ってない」

「そ、そんなの」

「お前はこれから火影になるんだ。わざわざ障害を作る必要はない」

「何言ってるんだってば!!オレはサスケに会いたいから、ただそれだけなのに…、会いたいよ」

「…」

「サスケはオレに会いたくないの?」

「…っ、」

「サスケ?」

「…オレだってお前を、お前のこともう一度見たいっ、」





彼の言葉は、オレを…

オレの人生を狂わせるのに充分だった。





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