花言葉シリーズ
□チューリップ 〜ナルトVer.
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花を育てよう。
黄色いチューリップ。
たとえ綺麗に咲いたとしても、それは黄色いチューリップ。
悔しいから、君に自慢してやろう。
僕は黄色いチューリップ。
「じゃさ、いの。ヒマワリは?」
「ヒマワリはね…」
ここはいのの花屋さん。
オレは自分の植物たちの肥料を買いにきた。
…はずなのだが。
「へ〜、そうなんだってば!」
「それからほら、この花は…」
「うんうん」
気づくとオレはカウンターの前でいのと話し込んでいた。
会計を済ませて帰ろうとした時、いのがお得意の花言葉について話し出したので、早々に帰ろうと思ったのだが、聞いてみると意外におもしろい。
「あんたもたまには花も育ててみたら〜?」
「うん。なんか楽しそうだってばね」
すっかりその気になったオレは、机の上のリストに目を落とす。
「何がいいかな〜。…あ、チューリップにしよっかな」
色は……黄色。
「黄色でいいの?」
へ?なんで?
「花言葉、“―――――”だけど…」
“―――――”か…。
「調度いいってばよ」
にしし、と笑ったオレに、いのは複雑な顔をした。
でも、お互いの思い浮かべた人はきっと別人。
いのの頭には桃色の少女。
オレの頭には黒い少年。
いつからか、オレはあいつに恋をしていた。
会ってはケンカばかりのオレたちだけど、気づいてしまったんだ。
知ってしまったんだ。
あいつの優しさや、弱さ。
それからオレの目はいつも彼の黒髪を追っていた。
けどオレは、愛し方も愛され方も知らないから。
だから花を育てよう。
黄色いチューリップ。
たとえ綺麗に咲いたとしても、それは黄色いチューリップ。
悔しいから、君に自慢してやろう。
僕は黄色いチューリップ。
黄色のチューリップ
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