花言葉シリーズ
□芝桜
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僕は臆病だ。
「サスケ…、歩くの早い」
「わり」
今日は芝桜が綺麗だから、
「…今度はなんでそんな後ろなんだってば」
「いや、別に…」
だからちょっとがんばって
君の手を握ってみようかと
そう思ったのに。
…やっぱりやめた。
「オレってば、帰る」
「ナルト?」
「じゃあなっ」
目も合わさずに、走りだす。
サスケのばか、サスケのばか、
…オレのばか。
急に風が吹いて、ピンク色がオレの視界を奪った。
ふと見ると、そこには一本の芝桜。
さっきまで見事な並木道を歩いていたためか、少し寂しく見えるものの、それはすごく綺麗だった。
すごく綺麗で…、
あいつの顔を思い出した。
もう一度走って、
まだいるかな?
青い背中を探して、
やっぱり緊張するのはどうにもならないけど、
「…サスケっ!」
優しく握り返してくる君の手を
ずっと感じていたいな。
(芝桜)
→臆病な心