花言葉シリーズ

□芝桜
1ページ/1ページ






僕は臆病だ。

「サスケ…、歩くの早い」

「わり」

今日は芝桜が綺麗だから、

「…今度はなんでそんな後ろなんだってば」

「いや、別に…」

だからちょっとがんばって

君の手を握ってみようかと

そう思ったのに。

…やっぱりやめた。

「オレってば、帰る」

「ナルト?」

「じゃあなっ」

目も合わさずに、走りだす。

サスケのばか、サスケのばか、

…オレのばか。

急に風が吹いて、ピンク色がオレの視界を奪った。

ふと見ると、そこには一本の芝桜。

さっきまで見事な並木道を歩いていたためか、少し寂しく見えるものの、それはすごく綺麗だった。

すごく綺麗で…、

あいつの顔を思い出した。

もう一度走って、

まだいるかな?

青い背中を探して、

やっぱり緊張するのはどうにもならないけど、

「…サスケっ!」

優しく握り返してくる君の手を

ずっと感じていたいな。







(芝桜)
→臆病な心






[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ