NARUTO 企画
□Time To Say...
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「はっ、…あ」
「…っ」
「あっ、っ…ん…!」
それは、満開の桜と温かな日差しがまぶしい頃だった。
今年の新入社員はイケメン揃いで、女性社員は盛り上がっていたものだった。
その中でも一際目立っていたのが、うちはサスケ。
色白の肌に、整った眉、何よりどこか陰のある切れ長の瞳が目を引いた。
誘ったのはオレだった。
ある日、コピー室でたまたま2人きりになった時、食事に誘った。
サスケは少し驚いたようだったが、「わかりました」と言った。
静かでいい声だった。
ホテルの最上階レストランで食事をした後、いつものように部屋に連れ込む。
「男は初めてだってば?」
スーツを脱ぎ捨てて、ネクタイをゆるめる。
「やっぱダメかな?別に付き合ってくれとかじゃなくて、ただ…」
「いいですよ」
「っ?」
「や、だから…先輩さえよければ」
少し意外だった。
もしかして経験アリ?なんて思ったけど、オレに触れる指が少し震えていて、なんだか少しだけ罪悪感を覚えた。
それから、オレが誘えばサスケは必ずOKを出した。
食事の後に、一番近いホテルで体を重ねる。
バカみたいにそんなことを繰り返した。
明け方、シャワーの音で目が覚めた。
「あ、起こしたな」
あっという間にタメ口も定着してしまった。
最初は戸惑っていたサスケもHの時には名前なのだからいいと思ったようだ。
「いや、いいんだってばよ。なあ、サスケ。」
「ん?」
「お前さ、付き合ってる子とかいねぇの?」
「…いないけど」
「ふぅん。でも意外だったってばよ。お前って女にモテんじゃん。オレなんか絶対相手にしないと思ってたってばよ」
バスローブをはおって立ち上がると、サスケと目が合った。
「…別にオレたち付き合ってるわけじゃねぇだろ?」
「ぷっ。まあそうだってばね」
「オレ、今日は用事あるから先行く」
「おう」
バスルームで顔を洗って出た時にはもう、サスケの姿はなかった。
(…別にオレたち付き合ってるわけじゃないだろ?)
確かにその通りだ。
オレは付き合ってくれとか、好きだなんて言ったことは一度もない。
ただルックスが好みで、ちょうどそういう相手がほしかっただけ。
それだけだ。
なのにどうして、こんなどうしようもない後悔にも似た念が湧いてくるのだろう。