リレー

□いち
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\(^O^)/



「この話の冒頭に戻ってみよう」

「そっから!?」


まさかのリターンぶりに思わず悪魔がつっこむ。なんでやねん。


「なるほどー。ここで、前回までのあらすじ……、とかやってページ数をかせぐ気だな! なんてさくしだそうりょめー、このこのー」

「いやぁ勇者さんには負けますよあっはっは」


ぽん、と手を打ってからいきなり僧侶を肘でつんつんし出す勇者。嫌がる様子もせずノる僧侶も僧侶だが、あーもー勝手にやってろと知らないフリをする悪魔も悪魔である。

触らぬ神に祟りなし、悪魔が最近一番大事だと思う言葉だ。寧ろ神よりも勇者の方がこわい。

そんな悪魔の誓いが届いたのか届いていないのか、勇者が唐突に口を開きだす。


「前回までのあらすじ――、なんと答えは”さがる”だった!」

「唐突すぎるよ! あらすじとか全く関係ないし! ああまたつっこんでしまった!」


数秒前の誓いを容易く破ってしまったことに対する嫌悪感からか、悪魔はがっくりと項垂れた。

もちろんそんな隙を見逃すはずもなく、僧侶が追い討ちをかける。具体的にはその背中にどっかり座る。気分的にも身体的にもorzな悪魔のできあがり。


「うあ、ちょっ、おもっ!」

「なるほど、”さがる”か……。それは全く思いつかなかったな」

「いいなーそのイス! ぼくもすわるっ」

「ゆうしゃああああ!」


悪魔の背中に僧侶、僧侶の膝に勇者が乗り、悪魔の叫びはただ空しく響き渡る。僧侶は背凭れでもあるかのように深く腰掛け、勇者にいたっては完全に足が宙に浮いていた。

ぷるぷると震える悪魔はかなり厳しそうだが、流石に上に勇者が乗っているとなれば倒れこむこともできないらしい。

しかしやはりそんな悪魔の頑張りに僧侶は全く頓着しない。膝の上に勇者がいることにご満悦な様子。僧侶に膝抱っこをされている状態の勇者も楽しげな様で足をばたつかせる。


「すすめー、あくまー! キーワードは”さがる”だぞ! あれ、何のキーワードだったっけ?」

「何でもいいだろ、お前には俺がいるんだから……」

「そうりょ……!」

「ああもうだめ……、助けて閻魔……、あうっ……」


背中の上の馬鹿騒ぎにリミットを迎える悪魔の原因はいったい何なのか。

もはや悪魔自身そんなことを考える余裕すらなく、「カウントダウーン、2、1、」と先程の僧侶の声がぐるぐると回っているだけだった。


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