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□お題
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『全部嘘だよ』
誰かがそう言ってくれることを心のどこかで望んでいた。
ソウルの傷を見る度に、自分の不甲斐なさを知り、触れる度に、情けなさを知る。
夢であったらいいのに。
嘘であったらいいのに。
繰り返し考えている。
マカが俺の傷を見る時、どこか悲しげな顔をする。
『全部嘘だよ』
誰かの声が聞こえた。
あの事が全て夢だったらマカをこんなにも悲しませることはなかったのに。
もっと俺が強かったら。
『『共に強くなりたい。』』
いつしか、そう願うようになっていた。
守られるだけじゃない。
二人が前に進めるように。
どこまでも一緒に。