孤児と大天使

□Episode4
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Episode4










にゃー

にゃー

誰かに付いていくように猫達が喉を鳴らしながら集まり歩いている

普通の人は猫が誰に懐いているのか見えない

「え。」

「お。」

「…」

思わず立ち止まった ユエは驚きそれを凝視する

「…あんた、見えるの。」

ヒヒッと笑ったその人は大鎌を背負いマントに身を包んでいた

「ユエちゃん、これ人じゃないから喋っちゃダメだよ。」

「!!」

おそ松に言われ周りを見ると少数だが怪訝な目を向けている人がいる

通り過ぎざまおそ松に目線をやると分かってくれたのかマントを掴み引きずっていく

「え、ちょっと何。」

「いいからいいから。」

「いいならいいか…」

「いいんだ…」
















「またえっらいの連れてきたわねー。」

教会に入ってきた3人を見て ボスは面白そうにため息をついた

カラ松はまたも青ざめながら様子を伺う

「あの、この人は何者でしょうか。」

「ヒヒッ知らずに連れてきたの。」

「死神よ。」

聞いた瞬間 ボスの後ろに隠れた ユエは顔だけだし観察する

紫のマントにおそ松とカラ松とよく似た顔

少しだけやる気が無い顔をしている

「まぁいいや、手間が省けた。」

「何?」

「俺、死神。仕事で地上に来てる。」

「…」

1人青ざめる人間に死神は笑いながら大鎌を突きつける

「お前だよ神父ぅ!!お前の魂狩りに来てやったんだよ!!」

「あら、寿命はまだ先のようだけど。」

「ヒヒッ」

ニヤニヤ笑う死神は大鎌を背中に戻すと楽しそうに椅子の背もたれに座る

ユエは震えながらおそ松と ボスの服を握った

「お前今なんか面白い事になってんよ。」

大天使と悪魔に挟まれている本人はあまりピンと来ていないようだ

「大天使を傍に起き悪魔を野放し1人の孤児に肩入れしすぎの神父、何故狩りのお達しがきたか分かるよなぁ?」

「…」

「なぁんだそんな事?」

重い空気の中声を発したのは ボス

死神に近づくと肩に手を置き

「いいわよ、頑張って。」

「え!!ボス様!!」

ユエは驚き大声を出す

カラ松は少し考え仕方なさそうに大天使を見る

「あんた、ホントに面白いね。」

おそ松に言われ笑うと死神に向い直る

「それでいい?」

「あんた、何考えてんの。」

「あなた自分で言ったわよね、神父の傍には誰がいるんだっけ?」

「…大天使。」

「そーね、簡単には殺させないわ。せいぜい頑張りなさいな。」

カラ松の傍に戻るとニッコリと笑い顔をのぞき込む

「ね、いい?」

「断れないでしょう?」

「フフ、死神さんここに住んでいつでも殺せるようにしなさいな。」

「はあ!?」

「あら、悪い話じゃないでしょう?」

「馬鹿にしてる。」

「してないしてない。」

「…ムカつく。」

しかし好都合

断る理由はなかった















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