便利屋さんと一緒

□第2章
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1 出勤








「おはよーございまーす!!ボスー!!きいてきいて!!」

一番最初に入ってきた十四松の声に名無はパソコンから目を上げる

「おはよう十四松、どうしたの?」

微笑みながら十四松を見る名無は昨日の夜とはうってかわり仕事モードだ

「母さんに仕事の事言ったらね!!とっても喜んでくれたんだよ!!時間があったら会いたいって!!」

その言葉に嬉しそうに十四松の頭を撫でる

遅れて入ってきた5人は眠たそうにしながら扉を開ける

「そうね、是非伺うわ。」

「やったぁ!!」

「十四松...あんまり騒ぐな、頭に響く。」

表情を歪ませる一松に素直に謝る十四松

やはり傍にいるロボットに誰も突っ込まない

「とりあえずその人と私はお話があるんだけど。」

その人、と言われたロボットは名無を静かに見つめる

「一松、ユエが来たら貸して。」

「別にいいけど。」











「ふー、疲れた。」

「午前中だけなのに随分お婆さんのようになったのね。」

ランドセルのまま事務所に入ってきたユエに名無は笑う

チョロ松は学校に行っていたことに少し驚いているようだった

「そうだ、アナタに頼み事があるんだけど。」

「んー、トド松お兄ちゃんは?」

「実験室じゃない?」

場所を聞くと地下に向かう

ユエが教えたパソコン作成をやっているだろう末っ子の元へ

「仲良しねぇ。」










「なにその暗い顔。」

チョロ松が言うと事務所に上がってきたトド松がまた凹む

「いや...」

「思った以上にパソコン作りが難しかったんだって。」

ネットでは自作パソコンを見かけるが自分でやってみると思ったより難しかったようだ

「人には向き不向きがあるよ。」

「...結構致命的だと思う。」

落ち込むトド松を一生懸命慰めるユエ

「チョロ松、一松呼んで。」

「あ、はい。」

2人を見守っていたチョロ松は思い出したかのように反応し

仕事用の携帯を操作する

それを見つめ始めたトド松は

どうやら何か考えているようだ

それを見た名無は近い未来の便利化に少し微笑んだ










「一緒なのねぇ。」

「離れないから。」

事務所に現れた男2人に微笑みが零れる

一松の後ろに控える大柄の男は物静かで声を発した所を見ない

「まぁ座って。」

ソファに座る一松、ロボット

その向かい側にトド松、ユエ

その後ろの机に名無

近くの机に着くチョロ松

事務所での話し合いが始まる











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