便利屋さんと一緒

□第2章
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2 事務所









「で、アナタはどこからきたの?」

「...わかりません。」

「そっか。会議終わり!!」

「ええええ!!!」

意気込んでノートやらペンやらを用意していたチョロ松は思わず立ち上がる

ユエはパソコンを開いていたし
トド松はスマートフォンで録音を初めていた

「ちょっと!!会話3回で終わりましたけど!!あんだけ引っ張っておいて!!」

「だってわかんないんなら仕方ないじゃない。一松もそんな顔で見ないでよ。」

貶すような

見下すような

そんな顔で名無を見る

こんな事で呼び出されるならもっと拷問の練習をしていたかった

「どこから来たのかわからない以上私は何も聞くことはないわ。それかユエ、解体して調べてみる?」

「え...正直、今の私の腕で解体後に直す自信はないよ。」

「でしょー...とりあえずこれ署名して。」

名無はある書類を取り出すとロボットの前に置く

そこには誓約書と題した文が長々と書いてあった

「なにこれ。」

一松は覗き込みロボットは既に読み込みを終えている

「大まかに...ここの秘密を外に出さないように...って書いてあります。」

「そういう事。」

ペンを渡すと受け取るが何か困ったように名無を見返す

「あら、もしかして名前がないの?一松、今つけて。」

「アンタ、ホントにそういう無茶ぶり多いよね。」

名無にちょっとしたキラキラの目を向けるロボットに

ゲンナリとロボットを見て考え込む一松

「ロイでいいよ。ロボットのロに適当にイ。」

「マスター...!!」

名前を付けてもらったのが嬉しいのか感動したように一松を見る

少し顔を赤くした一松は

早く書けば

とそっぽを向いた

「はい。」

署名を終え名無に渡すとロイはそのまま見つめる

「アナタは...ここのボスですか。」

「そうね。」

おもむろに立ち上がるとロイの至近距離まで近づく

顔をぶつけるぐらいまで持っていくと名無はニッコリ笑った

「この瞳、人相、指紋、声、全て覚えておきなさい。ここは貴方のセキュリティに任せるわ。」

「...わかりました。」

ロイの言葉に名無やはり微笑み席へ向かう

その顔には少しの決意が含まれていた












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