song

□遥かなる時空の中で
103ページ/189ページ

「月下美人」


翠色の羽根

戯れに鳥を追って

森深く迷い込んだ恋

このまま帰れなくなろうか


はしゃぎ疲れて微睡(ねる)る君

夜風に身をまかせて月光浴


退屈な人生が贅沢なさみしさを知る

もう二度と孤独と遊戯(あそ)べない

無邪気な足ものに跪き

つま先に頬よせれば

ああ 
桜桃の実の固さで


漆色の闇

今夜の月は美しい

この胸の闇はあざやかに光る


ふいに目覚めて微笑む君

枯れない永遠の月下美人


一瞬の永遠に何もかも賭ける愚かで

幸福な男がここに居る

花のように淡いその肌に

我が胸を乗せこのまま

ああ 
押し花にしてしまおうか



一瞬の永遠に何もかも賭ける愚かで

幸福な男がここに居る

花のように淡いその肌に

我が胸を乗せこのまま

ああ 
押し花にしてしまおうか


君が望めば叶わない夢はないだろう

いたいけでゆるぎない眼差し

欠けてもまた満ちる

あの月の強さにも似て

傷つき 
ああ 
また美しくなる君







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ