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□遥かなる時空の中で
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「玉響のしずく」
 友雅・永泉/語り:多季史


さらさら金色に 
さらさら銀色に

織り成す綾模様 
幾千の雨

さらさら導かれ 
さらさら誘(いざな)われ

織り成す恋模様 
玉響のしずくよ


薄絹羽織れば 
密やかな雨隠れ 
恋と呼べば心は乱れるもの

若草うるおす 
透きとおる青時雨 
恋と呼べば心は切なくて


遥かなる 
時空を越え出逢う 
ふたつの小船よ

遥かなる 
時空を流離(さすら)う 
迷い子


さらさらその胸に 
さらさらこの胸に

彩る夢模様 
幾千の雨

あなたに逢いたくて 
あなたを知りたくて

彩る恋模様 
玉響の涙よ


…無明の闇に独り
この手には紅蓮の炎に似た面が
何も覚えていないのは
消し去りたいのか消されたのか…


想いは結葉 
短夜の水鏡 
夢の中であなたを見つめていた

吐息は忍び音 
芳しい五月闇 
夢の中であなたを抱きしめる


遥かなる 
風の竜笛(ふえ)に舞う 
ふたつの木の葉よ

遥かなる 
風に彷徨う 
迷い子


さらさらその胸に 
さらさらこの胸に

色彩(いろ)づく夢模様 
幾千の夜

あなたに逢いたくて 
あなたを知りたくて

色彩(いろ)づく恋模様 
玉響の涙


…永き寂寥の日々よ
そなたの温もりが教えてくれた
私は唯 愛されたかったのだと
幻の舞はもういいのだ そなたには永遠(とわ)の舞を…


荷風の戯れに 
波紋の儚さに 
あなたを重ねて哀愁を知る

花神の微笑に
翠雨の煌きに 
あなたを重ねてそう幸福を知る


さらさら金色に 
さらさら銀色に

織り成す綾模様 
幾千の雨

さらさら導かれ 
さらさら誘(いざな)われ

織り成す恋模様 
玉響のしずくよ






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