song
□遥かなる時空の中で
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「蒼天に浚いの風よ吹け」
九郎・泰衡
飛び交う雪の塊(かい)など
夢想いの蓮に変える
流れる雲となり急ぐ
お前の元へと
幾千万の露払いで
道を開き渡す
闇は闇へ姿を
隠すのが運命(さだめ)
眼を見ろ
烈火(ほのお)を宿し睨め
眼で倒せ
本懐(おもい)を
ああ貫けば
呼び戻せる
蒼い天(そら)
勝利の風よ
さあ吹き抜けろ あでやかに
雪化粧の
真白さを
汚した者など
許すな
今
斬り捨てろ
まぶしい銀の地平は
そう成就の扇
お前を真の要とし
見事にひらいた
幾千万の敵などみな
樹氷となり凍る
夢をいつも現へ
変えて来た自信(ほこり)
眼を閉じ
無心に帰りそして
眼を開けよう
静かに
ああ雪はやみ
哀しいほど
蒼い天(そら)
浚いの風よ
さあ吹き抜けろ
果てしなく
雪化粧の
大地へと
ここから始まる
一歩を
今
踏み出した
眼を閉じ
無心に帰りそして
眼を開けよう
静かに
ああ雪はやみ
哀しいほど
蒼い天(そら)
お前と共に闘い
そして勝ち取った
お前のその足跡よ
真っ直ぐ行け
見届けよう
凌いだ風よ
さあ吹き抜けろ
果てしなく
雪化粧の
大地へと
ここから始まる
一歩を
浄土(あした)へ繋がる
一歩を
今
踏み出した
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