11/23の日記

01:14
4:信長夢
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「これ、お兄様に持っていってくれない?」

「あ……わかりました」


お市様から信長様への小さな届け物を預かった。包みの中味は定かではないが、大きさに比べて随分軽い。

(何だろ……?)

中味は気になるが、信長様の所へ行くのはあまり乗り気ではない。つい先日、愛言葉を頂き、返事をしていない。出来れば二人きりにならないように誰か居てほしい。

そして刹那、淡い期待は大きく裏切られた。信長様のことだ、返事はとか促してきそうだ。と身を固くしながら、お市様から預かった包みを渡した。


「市から?なんだ」

「さぁ…」


怪訝そうにしながら包みを開くと、中からトゲトゲした小さな金平糖。


「なんだよ、金平糖か。………食べてぇのか?」

「あっ、いえっ…!」


好物な菓子だったためつい見入ってしまったのを知られ、恥ずかしくなって俯いた。


「はは、別に良いんだぜ。俺も好きだし……ほら」

「えっ……」


可笑しそうに笑いながら、金平糖を一つつまみ上げ、私の口元に運んだ。慌てて断ったが、良いからと信長様は手を引こうとしない。


「……いただきます」


結局私が折れ、一つ貰うことにした。


...続く

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