11/29の日記

23:51
4:幸村夢
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今日はついてない。まさか高熱を出して、欠席点を付けてしまうなんて。

(私の完璧なる皆勤に傷が……)

無遅刻無欠席が自慢だった私は、熱に浮かされながらも沈んだ。


 ピンポーン…


そう思っていると、来客を告げるチャイムの音。誰だろうとぼんやり考えていると近づいてくる足音。


(……お母さん?)

『お茶を持っていきますね』

『あ、お構い無く。すぐ帰るんで……』


(…?聞き覚えのあるような…)

ドアの方を見ると、小さなノックのあとに静かに開かれた。そしてふとドアの影から覗いた色素の薄い黒髪。

(あ!あれは……!!)

その人物が誰なのかに気付いた私は慌てて目をつむり、寝たフリをした。

(だって、今日は会えないと思っていたから、緊張しちゃう……っ)


その人物は、今私が想いを寄せているクラスメートの真田幸村くん。


「ん?寝てんのか…」

(ゴメン!ドキドキするから…っ)


心の中で謝りながら、ひたすら狸寝入りをする。幸村くんがそばに寄ってきたのを感じて益々ドキドキしていると、額に触れる少し冷えた指先。


(えっ!?)

「…熱いな。……早く、良くなれよ…」

チュッ


その後幸村くんが出ていったあと、暫く柔らかなものが触れた額が熱くて動けなかった。





ベタな展開に挑戦する5題(自宅周辺編)
4.予想外のお見舞いに、慌てて寝たふりをした

配布元
確かに恋だった

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