AGAIN
□開 『開戦<前>』<済>
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9月17日。
彼らがあの約束をかわしてから数ヶ月。
軍に入隊してから、半年近くが経った。
初めて配属された日から2人の実力は凄く、軍上層部からも折り紙つきだった。
「黄河!上見ろ、上。」
「へ?」
アフターの甲板で休憩していた黄河は突然そう云われ、空を見上げる。
丁度、基地から飛び立ったで在ろうイーグルが四機、編隊を組んで飛んでいた。
日本國空軍、戦闘飛行隊のRECOVERY〈リカバリー〉隊だ。
彼は、そのうちの四番機を見つめる。
垂直尾翼に燕のイラスト・・・
坂本サクラの機体だった。
「・・・サクラ。」
ボソリと呟く黄河の声が聞こえたかの如く、RECOVERY4は編隊から離れ、黄河の上でアクロバットを繰り広げる。
これが、彼女なりの黄河への挨拶の仕方だった。
「行ってきます。」
そう挨拶しているかのような動き。
「気を付けて行けよ!サクラっ!!」
アフターの甲板に立ち、大きく手を振る黄河。
彼女に届くようにと願いを込めて、大きな声でそう云った。