*novel
□きみ色クレヨン
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そんな銀時先生の心配も知らずに二人は
「ジャングルジムのてっぺんまで先にのぼったほうがかちな、チャイナ」
「負けないアル!!!」
と走って教室を出て行った
「……子どもは気楽でいいよなー」
呟いた銀時先生の声は周りの園児達の声によってかき消された
そのあとも、園児達は銀時先生に絵を渡しにきた
バドミントンのラケットとシャトルの絵、紫色の髪の女の子の隣に“おつうちゃん”とつたない文字が書いてあるもの
白いわけのわからない怪物のようなものもあった
更には沢山のお花の中心にメスゴリラがいるものや
・・・
「私はキライなものを描いてみました」
と勝手にテーマを変えてしまった絵には、ボコボコにされたゴリラが描かれていた
……実際にボコボコにされたゴリラも教室にいたが
そんなこんなで次々と絵を提出し皆がいなくなるなか、教室には一人の男の子が残った
最後に残ったその子のもとへ銀時先生は足を運んだ