slapstick paradise

□slapstick
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「どういうことですの!?」
蘭丸の思考は不愉快な程の金切り声によって中断させられた。
「ペット探しで50万なんて、ぼったくりもいいところですわ!」
喚いているのは、高そうなドレスを着たいかにも上流階級といった感じの女性だった。
「どんなに言っても50万だ!びた一文まけるつもりはない!」
それにむかって怒鳴り返すのは我らが社長。
「もーいいですわ!こんな所二度と来るもんですか!」
「二度と顔見せんじやねぇ!!」
結局「お客様」は帰ってしまった。
「良かったんですか?あれで。」
様子を見ていた鬼山が聞いた。
「いいんだよ。ああいう連中は本気で探す気が無いんだ。本気で探して欲しいなら、50万なんて安い金額さ。」
そう言うと煌は煙草をふかし始める。
それを聞いていた蘭丸は先程までの言動からは想像できない彼女の言葉に驚愕していた。
「煌さんって良い人なのか悪い人なのかわかりませんね。」
「良い人には違いないんだけど、悪い人の部分が出過ぎてるだけなんじやないかと思うよ。」

ヒューン
ゴン!!
煌の方向から投げられたガラス製の灰皿が鬼山の頭にクリティカルヒットした。
「何か言ったか?」
「い、いえ。何も。」
倒れて痙攣している鬼山を見て、蘭丸はそれしか言えなかった。
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