slapstick paradise

□slapstick
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「も〜うるさいなぁ。なにぃ〜?」
すると今までずっと机に突っ伏していた獄殿寺が身を起こした。それに気づいた煌が近寄りにこやかに
「うーす。おはようさん。獄殿寺。お前にひとつ良い報告がある。今朝の騒動で割れた窓の修理代はお前の給料から差し引くことになった
その直後、寝起きでぼーっとしていた獄殿寺の顔が急に引き締まり、煌の両肩を鷲掴みにし
「そんなのあんまりじゃないですか!今日友達に借りてたDVD全35巻を朝一番で返すって約束してたのに昨日の夜12時の時点でまだ16巻までしか見れてなかったんですよ!?約束したんだから多少無理してでも全部見なきゃいけないでしょ!?」
と一気にまくしたてた。
「で?ちゃんと返せたのか?」
しかしそれにひるむことなく、冷静に質問をする煌。
「え、えーっと、そ、その〜。」
「返せてないんだな?」
「は、はいぃぃぃぃぃ。」
その瞬間、煌の導火線に火がついた。
「結局返せてないんだろ?それなら昨日努力したけど全部見れなかったから延長してくれとでもお願いできたはずだ!!第一夜中の12時に残りにまだ19巻ある時点であ、無理だな。ぐらいの推察ぐらいできるだろ!!お前だってもう17だ!そんなこともわからんようなガキじゃないよなぁ!!」
「ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃ。」
「あーあ。皐ちゃんお仕置き部屋決定だね。」
先ほどまで倒れていた鬼山が起き上がった。
「お仕置き部屋って何ですか?」
「ああ、お仕置き部屋ってのは社長が本気でムカついた社員をお仕置きするための部屋。オレもよく入れられたな〜。懐かしいよ。」
懐かしそうな顔をしている鬼山。
しかし獄殿寺はまるで人生の終わりかのような怯えた表情をしている。
「覚悟はできてるなぁ?獄殿寺ぃ。」
先ほど良いことを言った時の顔からは到底想像できないような不気味なにやけ顔で獄殿寺に迫る煌。
「ひ、ひいぃぃぃぃぃぃぃ。」
しゅるるるるる。
煌のスーツの袖口から突如現れた手錠が獄殿寺の両手を拘束した。
「いやぁ。だっ誰か助けて!鬼山さぁん。」
涙目で必死に助けを求める獄殿寺。
「はっはっはっ。大丈夫。死にはしないよ。頑張ってねー。」
「あはははははは!さーて楽しいお仕置きタイムだ!あんな事やこんな事、全てしてやる!あーーはっはっはっはっはっはっ!!!」
悪魔の笑いを残して、煌と獄殿寺はおどろおどろしい文字で「お仕置き部屋」と書かれた部屋へと入っていった。
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