slapstick paradise

□slapstick
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「いやー。楽しかった楽しかった。」
あれから約2時間後、ようやく煌と獄殿寺が「お仕置き部屋」から出てきた。
かなりスッキリした感じの煌とは対照的に獄殿寺は見るものに「死んでしまうんではないか?」と思わせてしまう程ぐったりしていた。
「お疲れ様〜。久しぶりのお仕置き部屋はどうだった?」
「こうして生きて出られたっていうだけで奇跡ですぅ…。」
そのまま近くのソファーに倒れ込む皐。
「あはははは。蘭丸くんもこうならないように頑張ってね〜。あ、社長。そろそろ時間なんで俺帰りま〜す。」
「うーす。おい!新入社員!明日は朝5時までには来いよ。遅れたら、わかってんな?」
「えっ。今日の仕事は?」
「うちは午後7時までに依頼が無かったら業務は終了。依頼がないときなんてザラだから基本的に7時終了と思っとけばいい。」
「給料は?」
蘭丸は自らにとって最も重要な事を聞いた。
「給料は報酬を受け取るたびにきっかり社員の数で均等に分ける。社長だからとか新入社員だからとかで差があるってのは無い。ただ分けて余った分は一番活躍したヤツにわたす。」
「ホントですか!?」
それは先程の50万の報酬をクライアントが受け入れた場合、少なくとも10万は貰え、さらに活躍すれば余りの10万も貰えて合計額は20万になる。ということだ。
願ってもない好条件に蘭丸は目を輝かせた。
「あ、一つ言っとくとたまにだけど殺しとか運び屋とか護衛とか強盗とかの違法な仕事を依頼されることもあるからそれだけあらかじめ知っとけよ。」
しかし浮かれている蘭丸の耳には煌の言葉は何ひとつ入ってこなかった。
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