slapstick paradise

□slapstick
1ページ/6ページ

新入社員募集!!
興味のある人はぜひslapstick事務所まで!!
入社条件はなし!

追加 命の保証はできません。あしからず。





「ここであってるのかな?」
不安げに目の前の建物を見る少年。
その建物は、いや建物というよりそれは廃墟といったほうが正しいかもしれない。
壁にはそこら中にひびがはいり、今にも倒壊しそうである。
そんな建物の屋根の付近にこれまた頼りない看板が一つ。
やたらと派手な文字で「slapstick」と書かれている。
「嫌だなぁ、こんなとこで働くの。でも 入社条件無しってのはここだけだしなぁ」
相変わらず建物の前につっ立っている少年。
名を海堂蘭丸という。
「よし、行こう!」
蘭丸が意を決して建物に入ろうとしたその時、

ガッシャーーーーーン!!!!!
突然破られた窓ガラス。
そこから落ちてきたサングラスをかけた長身の青年。
「な、な、何!?何!? なにが起きたの!?」
突然の出来事に混乱する蘭丸。
「おーい。生きてるかー鬼山ー?」
割れた窓の付近から聞こえてくる女性の声。
すると、倒れていた青年が起き上がった。
「うーす」
何事も無かったかのように返事を返す青年。
何かヤバい物を感じた蘭丸の本能は「さっさと逃げろ!」と警告を0,5秒単位で発信していた。
しかし不思議なことに重要な場面に限って人の体というものは動かなくなってしまうものである。
蘭丸の本能がフルで発信している警告を体が完全に無視していた。
「ん?」
青年が蘭丸の存在に気がついた。
「なんだ?お前?」
青年の質問にも脳がついていかない。
わけのわからないことの連続ですでに蘭丸の頭はパンク寸前だった。
「ん?ウチの広告…。ああ!そういうことか!よっしゃ!とりあえず中まで入れ!話はそれからだ!」
「えっちょっあ、あの」
建物の中へと蘭丸を引きずって行く青年。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ