AMEN

□幼なじみとちょっとの嫉妬
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教会第2支部の礼拝堂。そこでカーティスは妙にクネクネしながら、隣にいるサーシャに話しかけた。
(キモイ)
言葉にも表情にも出さないが、サーシャは心底そう思っていた。
なんでこの神父はこうなのか。真面目な神父も知っている。だからこそ余計に普段のカーティスが残念でならなかった。普段から真面目にしていればいいのに。どちらが本当のカーティスなのか。長年一緒にいるサーシャでもわからなかった。
「相変わらずだな、カーティス。本当に貴様は変わらん」
突然礼拝堂に女性の声が響いた。カーティスがハッとして振り返る。入口の扉にもたれかかるようにして1人のシスターが不敵に笑いながらカーティスを睨みつけていた。
「な、な、なぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
カーティスが転げ落ちるようにしてイスから落ちた。
「し、ししし、シスターロッテ!!」
シスターロッテはゆっくりと、床にへたれこんでいるカーティスに近づいた。そしてカーティスの胸ぐらを掴むと顔をかなりの至近距離まで近づけた。あまりの近さに傍らで見ているサーシャまでドキリとしてしまった。
「人前でその名で呼ぶなと、何回言えばいいんだ、あぁ?」
「ひ、ご、ごめんなさいすいません、シスターグナイシュタイン!!」
「ふん!わかればいい」
「あ、あの、あなたは?」
サーシャが尋ねるとシスターロッテ、いや、シスターグナイシュタインはサーシャの前に跪いた。
「お久しぶりです、シスターサーシャ。私の名はアンナロッテ・グナイシュタイン。礼儀の無い者はシスターロッテなどと呼びますが、シスターサーシャにおきましてはどうぞシスターグナイシュタインとお呼びください」
恭しく頭を下げたシスターグナイシュタインの姿はシスターと言うよりは騎士のようであった。
「あ、あのご丁寧にありがとうございます。でも、どうしてそんなに私に対して、その、丁寧にしてくださるんですか?それに“お久しぶり”って…」
「ああ、いえ、貴女がおわかりになられないということは、カーティスがそれなりに使命を果たしているということ。私の態度や言葉などお気になさらないでください。ただ、“お久しぶり”という言葉に関して言いますと、私はかつてお生まれになったばかりのシスターサーシャにお会いしたことがあるのです」
「えっ、そうなんですか?」
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