Dream

□華鬼
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「失礼します」
 静かにドアが開き、男が二人部屋に入ってくる。
「どうした?」と、二人のうち一方の制服を着た男のほうに問うと
「報告があります」と真剣な表情で言ってきた。 そしてそっと「鬼頭の事で」と付け加えるように言う。
私はそっと目を伏せ一言「話して」と言う。

「三翼の庇護翼の一人から報告がありまして、鬼頭に花嫁がいたらしく、明日花嫁を迎えに三翼の一人、士都麻光晴を行かすそうです」 そして「ご存知でしたか花嫁の件」と聞いてくる。
私は思い出すように考えた。だが兄、華鬼は一つとして私にそれに似たことは話してない。

私は窓のほうに歩み寄り
「分かった、報告してくれてありがとう。後は私と三翼に任せろ」とだけ言う。
「失礼しました」と二つの庇護翼の声が重なり、しばらくすると沈黙が訪れた。

自分の庇護翼が部屋を出て行った後しばらくの間窓から見える月を眺めていた。
 そして近くにおいてあった鍵を持ち部屋を出る。
少し歩くとエレベーターが見える。
乗り込んでから目的地のある階の番号のボタンを押し、つくまでの少しの間考え込む。
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