Dream

□華鬼
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目的地の部屋のドアの前に立つ
ドアについている呼び鈴を押そうとする
手前、中からドアが開く。

開いたドアの先に立つ人は温厚そうな女性だった。
「あら、麗二様の言ったとおり京華さんじゃないですかどうぞ、麗二様と光晴さん、水羽さんも中でお待ちですよ」と私に微笑んで言い、私をドアの中に入れる。
リビングに通されるとそこには一つのテーブルを囲んで三人の男たち、正確に言えば一人の教師と二人の生徒が座っていた。

鬼ヶ里高校保健医兼一翼 保健室の麗人とも呼ばれ人気絶大な高槻麗二

執行部会長兼二翼 士都麻光晴

 過去最少年で鬼頭の庇護翼になった 早咲水羽 

  鬼頭の庇護翼 三翼である。

「こんばんは京華さん。突然お呼びたてしてすいません」と、丁寧な口調で話しかけて来る高槻。
私は「いいえ」といって首を横に振る。
水羽と光晴の間の空いている席に座ると突然光晴が
「なぁ京華、お前ホントに知らんかったんか?あいつの花嫁のこと」
苛立った口調で言ってくる。私は
 「知ってたらとうの昔に言ってるよ」と言って光晴を睨む。
「まぁまぁ、光晴さん京華さんを責めてもどうにもなりませんよ」と私を玄関で出迎えてくれた麗二の花嫁のもえぎが私にお茶を差し出してくれながら言う。
「もえぎさんの言うとおりですよ。それに今は明日のことを考えなければ・・・」
と麗二も言う。

「明日かぁ〜光晴が行くんだよね花嫁迎えにきちんと仕事してきなよ!!」
と水羽が言うと光晴が
「当たり前や!十六年間もほったらかしにしといて守りもせんかったんや申し訳ないどころじゃないで!!」
と机に突っ伏して言う。
「とにかく明日光晴さんはおねがいしますね。
あっ!!それと鬼頭を見つけたら尋問しましょう。
ということで光晴さんお願いしますね
」と麗二が言ってお開きとなった。



「はぁ・・・」と私の溜め息。
水羽と光晴がいなくなったリビングで
麗二と静かにお茶をすする。

「どうしましょうかねぇ鬼頭」と麗二がため息混じりに言う。
「どうするもこうするも無いでしょう。高槻先生」と机に突っ伏して言う。

ハハハハハ・・・・
二人して気のない笑いをする。

「あー、明日どうしよ・・・きっと親父から“理由話せ”って苦情の電話が掛かってくるんだろうな」
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