□詩集
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 どこまでもついてくるのは
 ぬくもりを求めた冷たさで
 音は もう ここには追いつけない

 雑音を置いて来たよ
 わたしも“そこ”に行くよ

 たかい たかい 空に近い階段のうえ
 冷たさを拾いあげて背負ったわたしは
 朝日を浴びて
 薄黄色に色づいた雪の山を見る

 …何日めだろう?
 口から生まれた音が
 泣き声になって
 地面に転がった

 誰も帰ってこなかった
 全て渦巻く氷にのまれたの
 お伽話になる 
 これが今回の『私たち』
 
 
 

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