らーぜ☆

□星に願いを 君に誓いを
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朝脱ぎっぱなしにしてた寝巻や服たちを片付け、ご飯を済ませた。風呂はどうしようかと考えているとチャイムが鳴った。


「お、来たな。どーぞ」
「んー。今日泊まるから」
「うん、…え!?」
「んだよ、ダメなのかよ」
「あ、いやいや。喜んで!」


そかそか。こんな時間だからそりゃそうだ。
うわ…テンション上がってきた!

荷物を持った泉はいつも通りで目ももう大丈夫なようだ。




一緒にテレビ見て、くだらない話して、笑い合って。

少し離れてた距離を縮める時間。


見詰め合って、燃えるようなキスをして。そのまま求め合った。

余韻に浸りながら浅い眠りについたころ耳元で大きな高い音と振動がした。
携帯を操作して閉じる音がして、重い瞼を開けると泉が上着を羽織っているところだった。


「いずみ…?」
「浜田、起きろ」

俺の上着を持って腕を引っ張られ、ベランダへ出た。
上着を着ながら外を見るがまだ真っ暗闇だ。


「ふぁ…なに泉……ぉあ!」


欠伸をしながら泉に問いかけると泉は手摺に身を任せ上を見上げていた。つられるように上を見てみる。

「今日はナントカ流星群が見れる日なんだぜ」

「す…すげえ…!」

黒い空に飛び交う無数の青白い光に目を奪われ、異世界にいるような錯覚さえした。

ふと泉に目を移すと泉もこっちをまっすぐに見ていて。
その瞳に吸い寄せられるようにキスをした。


「いずみ、好きだよ」

唇を乗せたまま囁くと泉からキスで返事。
後ろから抱き締めてまた夜空を眺めた。
前で組んでる手に合わせてくる少し小さい手、肩に頭を預けてくる泉の黒い髪が甘くくすぐったい。


「ねぇ、願い事した?」
「おう」
「なに?」
「…お前は?」
「んー?俺は泉とー…」
「あ!バカ言うな!!」


泉の頭に鼻先を埋めて聞くと、逆に上目使いで聞かれた。真面目に答えようとしたら今度は言うなと思い切り手で口を塞がれた。


「っ…口に出したら叶わなくなんだぞっ!」


必死に言う泉が可愛くてつい顔が緩む。回した腕にぐっと力を込めて。


「大丈夫だよ。願いとか希望とかって、公言することで、そうなるように頑張ろうって思うんだよ。
それに叶えてくれるのは星じゃなくて泉だし?」


腕の中で大人しくなった泉は今度は顔を胸に埋めて表情が見えない。

「そばにいろよ」


希望、願い、不安、期待

いろんな思いを織り交ぜて、泉にだけ聞こえるように囁いた。


「はは。命令かよ」


感情を隠すように言い放って、重ねられた手にぐっと力が込められた。


「離すなよ」




あぁ、離さないよ。絶対に…



心の中で君に誓って
その唇にキスをした。




2009.8.18

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