桐青

□当たり前のしあわせ
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――ピンポーン


「お前…本当に来たのかよ」
「準さんっ」

呆れ顔で出て来た準さんに飛び付く。
いつもこんなことすると殴られたりひっぺ返されるからちょっと構えちゃったけど、おとなしい準さん。


玄関先でこれはマズイから中入れって家に入れてもらい準さんの部屋。

「んで…どうしたんだよ?」
「準さんの声が聞きたくて…」
「別に電話でもいいだろ。明日だってイヤでも顔合わせるんだし」
「今、直接、聞きたかったの!」


ゆっくりと準さんを押し倒し触れるだけのキスを、しつこいほど。

「ね、利央って言って?」
「ヤだ」

もう一度キスをする。唇が湿ってきたころ下唇にチクッと電流が走った。
思わず顔を離して準さんを見ると悪戯と少しの欲を含んだ瞳と目が合った。


それに応えるように準さんを味わう。
首筋に唇を這わせ、陽に焼けてない健康的な肌色を強く吸う。
近くにあった胸の突起を舌で円を描き転がしてやると体がびくんと跳ねた。
ぷくっと膨らんだそこに歯をあてて刺激を与える。
右のそこが寂しそうだったから同じように弄ると頭上から甘い息遣いが苦しそうに途切れ途切れに聞こえる。


側腹を撫でながらズボンへと手を伸ばした。主張しているものを確認し身に纏っていたものをゆっくり、焦らすように脱がすと準さんが体を捻って早く、と促す。

脱がせた後反り返ったそこには触れず、膨らんだ自身を出して準さんの脚の間に割って入り背中に手を回す。
まだ欲しがってもいない蕾へ自分の欲をあてがった。

「っ!?」
「ねェ、利央ってゆって」

ぷいっと真っ赤な顔を背けられた。
オレ限界…と耳元で囁いてもっと強く押し付けた。

「…り…おぅ…っ!」
そのまま挿れられるのはイヤだと首を振った。

名残惜しむようにキスをして体を離し、透明な液を溢れさせながらふるふると震えていた準さんのにそっと触れゆっくり扱く。

「ぁ…も…はやくっ」


扱く手を速め、胸の突起を吸うと甘い声が降ってくる。中指をそこへ入れるとぴちゃと音を立てて指を濡らす。

指を蕾に当てて円を描くようになぞって少し緊張が解けてきたところで指をすーっと挿れ込む。

「あっ…ふ…は、は、あ!りおっ、イクっ!…ふぁ!?」
「ゆってくれるまで、だめ」


根元をぐっと掴みくい止めた。先端をべろっと舐め、ちゅっと口付ける。

余裕のできた後ろにもう一本指を増やし、内壁を掻き回す。
ぬちという粘着性の音が響いた時、準さんの腰が微かに動いた。
指を伸ばしてコリっとしたしこりを撫でるとびくんと大きく跳ねた。
もう一本指を挿れて中を広げるようばらばらに動かす。

「ぁっ、も…い…から、はやくっ」
「ん、」

ぬちゃという音を出しながら飲み込まれた指を引き抜き、はちきれそうな自身を捻じ込んだ。
ゆっくりと根元まで咥えながら息を浅く繰り返す準さんにねっとりしたキスをして。


紅くなった目許を潤ませて口からと前から液をたらたら流す姿にぞくぞくと追い討ちをかけられ、緩く動いていた腰が速まる。


「あ!…ぁ、りお…っり…お!」
「準っさん」
「もっ…と、りぉ…はぅ…」
「ん…ここ?」

大きく突き上げながら準さんの求める場所を擦ると脚を震わせながら限界を訴えてくる。

「ああ!も、イクっ!りおっ」
「イっていい、よっ」




準さん、
名前呼んでって言っても言ってくんなかったの、わざとでしょ?
えっちのとき、りお、って絶対言ってくれるもんね。
だからでしょ?


長い放出が終わり息の整わない口を塞ぐ。

「ありがと、準さん」
「…なにが」
「利央、っていっぱい呼んでくれて」
「……」


意地悪だけどかわいい準さん。
そんな準さんを見れるのも、声が聞けるのも、抱き締められるのも、キスできるのも、ぜんぶぜーんぶ。

五体満足、
五感満足、だからだよね。

これで準さんが居てくれるんだもん。幸せ以外の何者でもないよね。


「準さん、だいすき。
オレしあわせだよ」

当たり前だ、って頭をくしゃくしゃ撫でてくれる。



ああ、
当たり前に生きてること、準さんに出会えたこと、すべてに感謝しなくちゃ。




2009.7.30

…すいません…!

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