桐青

□それはもう猟奇的
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頭の芯が甘く痺れる感覚と、いやに冷静な部分。
熱い。身体中どこもかしこも熱くて息苦しい。



「けーすけ、好きだよ…」


耳元で吐息混じりに囁かれぞわり、とそこから波紋が広がる。


「好きだ…」


一体なんだってんだ。
滅多に口にしない言葉をぽろぽろと零す裕史に混乱して頭を左右に振る。


「…けーすけ…」



今日の裕史はいつもの意地悪な余裕とかなくて。
俺の顔の横に顔を埋めたまんま、好きだなんだと囁いては耳や首筋にキスを落とす。



痛い

けど

気持ちい


身体中


気持ち良すぎて


嬉しかったり


切なかったり


変なカンジで


オカシクなる



先ほどの生理的なものとは違う、感情的なモノが溢れた瞬間、

間が悪く顔をあげてこいつは

俺のキライな
切なくて、でもどこまでも優しい笑顔で俺の涙を拭った。



「好き……好きなんだ」


呼吸することを咎められるような深いキスに、漠然と応えながらも脳の一部は冷静で。

俺の感覚と脳はあとどのくらい持つだろうか…
限界の分からない身体は、目も耳も俺の総てが裕史を求めていて…



「誕生日おめでとう

今ここにいてくれて

ありがとう


好きだ、けーすけ」



俺のキライなその顔はどこまでも優しく責め立てる。

目から溢れ出たモノがとても熱い、気がした。



これ以上ないくらい求めて求められて、与えて与えられて。
それなのにまだ求めようとする。



あ、そうか

限界なんてとっくに通り越してるんだ。

それはもう、猟奇的。




力尽きた腕を彼の首に絡ませ


「裕史‥」



また求める




9.14 Happy Birthday山ちゃん★


2009.9.14

山ノ井大好きです!


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