桐青

□カウントダウンは始まった
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こないだ夢に山ちゃんが出て来た。友達が出てくるのは、まあ普通のこと。
学校での話だったり野球やってたり。

でもなんか…なんつーか。
山ちゃん裸、で。
見たことないような色っぽい山ちゃんに、夢なのにドキドキしてたのがわかった。
そんですっげーそそられて、山ちゃんに覆いかぶさ…ろうとする所で目が覚めた。

なんなんだと思いながらも、起き抜けに鮮明に思い出せる夢を忘れないように何度も頭で反芻しては飲み込んだ。


それから山ちゃんとはいつも通り、にできるはずもなく一人妙にそわそわ。
山ちゃんとは簡単に言えば親友ってくらい仲がいい友達だ。一番長く、近くにいるしお互いどこまで入り込んでいいのかっていう距離感も判ってると思う。

だが今、それが崩れそうになっている。
気付けば彼を目で追っていた。




電気を消して布団に潜り込み寝る体勢に入る。
…また、あの夢を見たいと思った。なんでだかすごく興味を持ってしまった。

目を閉じて左手を腹から滑らせボクサーパンツの中の自身に触れる。
考えるは、いつか見た山ノ井の姿。
覆いかぶさってキスしたい。
両手を絡ませ合って深く深く舌を交じり合わせる。
すると山ちゃんの顔が苦しさで歪む。
所詮想像でしかないその顔にも興奮を覚えた。

左手をゆるゆると動かすと芯を持ち始める。
より一層の刺激を求めて握り直し上下に扱こうとした時。

「っ、……なにやってんだ…」

違和感があるのは気のせいじゃない。男に欲情してオカズにしてるなんて、ありえない。

左手を引き抜き昂ぶった熱を冷ます。

「不発…」

不満はあるがこのままこの行為を進める訳にはいかない。
疲れた体は幸いにも不満より睡眠を選んでくれた。





「ッ…ん…」

荒い息と水音がやけに耳をつく。
唇同士をくっつけて舌を擦り合わせる。深く合わせれば合わせる程苦しくなって、唇を離し相手の顔を見る、と。そこにいたのは山ノ井だった。
彼を組み敷いて、まさに押し倒したような格好。
驚いたような安心したような気持ちでいると、彼の方から唇を寄せてきた。当然のように応える俺。相手が山ちゃんだとわかると興奮も気持ちよさも倍増して、腰がずんと疼いた。自身の欲を山ちゃんに押し付ける、それだけで身も心も昇りつめた。





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