桐青
□刺客、あらわる
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結局こうなるのか。だから嫌だっつったんだ。
テスト前の少ない部活休みに泥のように寝てた俺は、2日後に迫ったテストに若干の焦りを感じて(こんな時に限って範囲が広い)机に向かってたんだ。
そしたら利央からメールが。
『数学どーしてもわかんないとこあるからおしえて!』
『嫌だ。来るとか言うなよ』
『いま行ってる!』
ふざけんなと打って送信ボタンを押す前に家のチャイムが鳴った。
「サイアク…」
結局利央はズカズカ上がり込んできて、折り畳みの小さいテーブルを広げ問題集を開いた。
最初に教えてさっさと自分の勉強に戻ろうと思ってイスを回して振り返ると、ニッコリ笑った利央が立っていた。
やばい、と思って身を引いたがイスの背凭れが少し反っただけで簡単に利央に捕まり、唇を塞がれ逃げ場のない俺は自由を奪われた。
触れる手や利央の纏っている空気はひんやり冷たいのに、絡ませ合う咥内の熱は予想以上に熱く、不覚にもキスに夢中になった。
それが最大の失態。
ふいにシャツの上から胸を弄られ当たり前に体が反応して羞恥心を掻き立てられる。
「まて…やらねえ、ぞ…!」
「ん。わかってる」
判ってるなら早くその手をどけろ!
言葉にならない切なる思いは見事に蹂躙された。
シャツの下から利央の手が直に肌に触れ、体温より低いその手に感覚が集中する。
熱いキスを送られながら冷たい指が乳首を弄る。時折びくんと小さく跳ねる体が恨めしい。
名残惜しそうに離れた唇は次にシャツを捲り上げられて晒され主張を始めた突起を食んだ。
「あっ…、てめ…」
利央の肩に置いた手に力を入れて体が反応するのを阻止するがなんら意味をなさなかった。
左手で右側の突起を弄られ空いた手が下に伸びてきた。スウェットを押し上げて主張するそれを根元から先へ、掌で擦る。
唇がリップノイズを立てて乳首から離れ、脚を左右に広げられ反応を確認した場所に顔を埋めた。キスというより鼻と唇をぐにぐにと押し付けてくる。
「準さんえっちなにおいする」
「うる、せ…!」
ふっ、と目を細めて近付いてくる利央の唇がぷっくりと紅くおいしそうで俺からそれに噛み付いた。そしてまたねっとりとしたキスを繰り返す。
「おしり浮かして」
唇は触れたまま低く囁かれて言われるがままに右左と浮かすと簡単にスウェットとパンツを脱がされ片足に絡まった。
「っあ、…っ…」
すっかり硬くなった俺自身を緩く握り、括れを何度もなぞって上下に扱き始める。
頬にかかる利央の息が少し荒いことに胸の奥がくすぐったく感じる。こんな風に乱れた俺でも、痴態を見せても、こいつは受け入れてくれる。愛してくれる。
「ね、どうして欲しい?」
俺自身の先端に音を立ててキスしてニッコリ笑って訊く。
「…は…?」
「このまま手でいく?」
「…なに、いって…」
キスをされたそこは透明の液体で潤っているのがわかる。緩く扱かれ液が溢れた。