桐青

□刺客、あらわる
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「…ねえ」

「……って」

「ん?なあに?」

「しゃぶ…て」

「よくできました」

「ふぁ!…っ」


いきなりぱくっと咥えられ熱い粘膜に全ての感覚を持っていかれる。
先ほどよりずっと強い刺激に腰から体中に甘い痺れが走った。

何度かきゅうきゅう吸って、形をなぞるように唇で撫でる。根元から先へ舌を這わせる利央と目が合った。

「かわいいよ、準さん」

「っんぅ…」

利央の腕が伸びてきて頬に触れ優しく撫でられる。
かわいい、なんて言われてもちっとも嬉しくねんだよ。
でも何故か
利央に言われると嬉しくなる。
自分だけ肌を晒して、乱れてない服のままの利央に恥ずかしい格好見せ付けて。
それでもかわいいと言ってくれる。
…俺はいつからこうなってしまったんだ。


「は、ぁ…りおっ……あぁ」


座ってるから行われてるところがよく見えてしまう。充血して形を変えたものが色白に呑まれていく。

自ら腰を揺らして昇りつめる。ギシギシとイスが悲鳴をあげているのが聞こえた。

「りおっ、っ…い、く…」

利央のふわふわ頭を乱暴に掴んで訴えると目線を上げて微笑った。
その瞬間、胸の奥を鷲掴みされたような緊迫感が身体を締め付け、同時に欲を吐き出した。


ティッシュを素早く数枚取って利央の顔の前に差し出す。
1枚取ってまだ液を垂らすものを拭きあげ、あまりで口内の精液を出した。

「苦いけど甘い」

「…早くうがいしてこい」

「うん」

俺の服を元通りにして、ぎこちない歩き方で部屋を出て行った。
未だ利央のあの顔が頭から離れず心臓が煩い。
なんなんだあのいかにも幸せですみたいな顔!あいつはよく笑ってるけどあんな顔はあまり見せない、というか意識してないのかも。

あーちくしょー!
あんな顔されると余計欲しくなるって…わかんねーかなあバカ利央!


まだぎこちない仕草で戻ってきた利央はドアの前で突っ立ったまま引き攣った表情。

「怒って、る…?」

「あ?別に…」

「う…ごめん。キスだけのつもりだったんだけど…その、準さんが」

いやがんなかったから…。
…俺?俺が求めたとでも?

「利央。来い」

「…はぃ…」


確かに、部活が休みだと顔合わせる回数減るし学校終わったら速攻帰って爆睡だった。煩いのがいなくてせーせーしてたところだ。

だから、か?

触れた熱が予想以上に熱く感じたのは。
家に来るなと言いつつ来るだろうことはわかってた。


「ちょ、準さん!なにっ」

「抜いてやる」


ぎこちない仕草の原因に触れてそこにキスをする。
お前にも今の俺と同じ気持ちにさせてやるよ。



2009.10.22


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