らーぜ☆

□はじめて
1ページ/1ページ



「…ん…っ…ん」


浜田からの甘くて蕩けるような、でも情欲の滲んだ激しいキス。




はじめて浜田とキスした日。
触れるだけだったけどしっかり重ねられたとても優しいそれは
相手が野郎だとか、俺のファーストキスだとか、そんなのどうでも良くなるくらい気分が高揚した。
家に帰って玄関でへたれこんだ俺を、不思議に思って見に来た母親の顔も見れなくて部屋に駆け込んだっけ。




「んぁっ、は…まだ!」

浜田の熱を受け入れた息苦しさに思考は停止した。
胸元にいる浜田の舌が俺の胸を擽る。
俺はただ、その熱を感じて喘ぐだけ。

「いずみ…」
「あっ、あ、んんっ…」

あ、浜田のこの顔…



はじめて身体を重ねた日。
俺は男に抱かれること、その行為を受け入れること、崩れかけたプライドや恐怖に震えた。
でも浜田は
そんなもの必要ないと、失くしてしまえばいいと。
優しく、でも余裕のない強い熱をぶつけてきた。

その直球な想いにすべてを委ねる事ができたんだ。




「あ……は、ま…っ」
「んっ、っ…」

初めの頃に似た、求められる感覚。でもできるだけ身体に負担をかけないように気遣うひとつひとつの動き。

壊れるんじゃないかという程に身体を揺さぶられ、何度も名前を囁かれる。
いつもより激しいそれにただ酸素を求めた。


めちゃくちゃにしていいのに。
浜田にならされてもいいって。
もうお前しか残らないようにしてくれって…思うけど。
まだ。
お前の分までやらなきゃいけないことがあるから、今はまだ。
その気遣いに甘えとく。



「はまっ、あ!イクっ!んんっ!」
「いずみっ…!」


想いと一緒に熱を弾けさせると、やっとこの苦しさとキツさから開放されるという身体の訴えと、好きで好きで堪らない、求め合う熱が離れていく寂しさにおかしくなりそうだ。



「おま…激しすぎ、なんだよ」
「ごめん、キツかったよね」
「たりめーだ」
「いずみがめちゃくちゃにしてって顔、してたから…」
「……」
「い、いずみ?」


まだ、離れたくないと思っただけ。
めちゃくちゃにして欲しいって、判ったんだろ。だったら…
浜田を受け入れたまま、脚を浜田の脇腹にきゅっと押し付け、抜くなと訴える。

「…まだ…」
「ん、」
「ちゅ…しろ」


抱き締められてやさしいキスがおでこ、瞼、頬に降ってくる。
唇に触れると熱い舌が絡まり、また呼吸が乱れる。


「ちょ、おま!」
「えへ、ごめん。泉かわいくって…」

俺の中でまた硬さを増していくものに俺も身体の芯に火がついた。



とりあえず、後で一発殴らせてもらうことにしよう。



2009.8.6


これは♪フレンズの『口付けをかわした日は ママの顔さえも見れなかった』という部分を書きたかっただけです。



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ